2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12555274
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
高野 忠 宇宙科学研究所, 宇宙探査工学研究系, 教授 (80179465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 知朗 宇宙科学研究所, 宇宙探査工学研究系, 助手 (60321569)
遠山 文雄 東海大学, 工学部, 教授 (40056156)
佐々木 進 宇宙科学研究所, 衛星応用光学研究系, 教授 (00092221)
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Keywords | デブリ / レーザレーダ / アレイ化 |
Research Abstract |
1.はじめに レーザを用いる測定や通信において、その反射光はコヒーレント性によりスペックルと呼ばれる空間的な強度のばらつきを生じる。このため、反射光の受信強度が受信機の位置によって異なるという問題が生じてしまう。本稿ではスペックルの空間的な特性を明らかにし、複数レーザからの光を空間的に合成することによりスペックルが軽減されることを示す。 2.実験の概要 散乱体(紙)を2台のNd-YAGレーザのビームで照射し、散乱光の電力を受信機(PD)で受けつつ走査して、パターンとレベルを測定した。PDの受光面は散乱体面に垂直に向いており、走査は散乱面に対して平行に10cmの区間である。走査面には2次元のスペックルパターンが観測される。その一方向について走査して記録する。レーザはYAG(λ=532nm)であり、散乱体面に垂直に入射し、一つの場合と二つの場合でパターンを比較した。散乱体とPDの距離Rは3〜5mで変化させた。 3.実験結果 距離R=4.5mの結果を示す。1ビームの場合、変動が激しく、最大レベルPmax=0.27nW、最小レベルPmin=0.09nWである。2ビームになると、レベルは約2倍になり、パターンも変化する。 ここで受信電力の変動を評価するパラメータを、各データ系列の最大電力Pmaxと最小電力Pminとを用いて、(Pmax-Pmin)/(Pmax+Pmin)で定義する。受信電力の空間的変動がなければ、パラメータ値は0となる。各データ系列についてこの値を求めまとめた。1ビームの場合、この値はRに対し単調に増加している。1ビームと2ビームの場合を比べると、散乱体とPDとの距離Rが同じ時、二つの場合の方が、パラメータ値が約30%小さくなっていることがわかった。つまり、二つのレーザを合成して照射することによりスペックルの明暗の度合いは軽減されると言える。 4.まとめ スペックルの明暗の度合いを表すパラメータを定義し、複数レーザの電力を空間合成することでこの値が減少し、スペックルが軽減されることを示した。
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Research Products
(1 results)