2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12555274
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Research Institution | Institute of Space & Astronautical Science |
Principal Investigator |
高野 忠 宇宙科学研究所, 宇宙探査工学研究系, 教授 (80179465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 知朗 宇宙科学研究所, 宇宙探査工学研究系, 助手 (60321569)
遠山 文雄 東海大学, 工学部, 教授 (40056156)
佐々木 進 宇宙科学研究所, 衛星応用光学研究系, 教授 (00092221)
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Keywords | 宇宙ごみ / 観測 / レーザレーダ / 照射光の空間合成 / スペックル / 大出力半導体レーザ / 単峰形放射パターン / 鏡面修整光アンテナ |
Research Abstract |
(1)送信電力の空間合成 2っのレーザからのビームで、標的の同一部分を照射し、特性を測定した。散乱パターンは単一レーザの時とほぼ等しく、かつレベルは2倍になる。また複数レーザを空間合成することにより、スペックルを軽減できることを示した。 (2)アンテナ開口能率の改善 光アンテナに対し、主反射鏡と副反射鏡で鏡面修整を行う(従来法)と、種々の加工誤差により著しく特性が劣化する。本研究では、主反射鏡を放物面とし、給電レンズ、副反射鏡に対し修整を行うことを提案し、修整式を導いた。さらに本アンテナ利得の誤差依存性を調べ、従来の修整アンテナに比べ大幅に改善し、標準カセグレンアンテナと近くなることを示した。しかし、給電レンズと副反射鏡間の許容角度誤差が、標準カセグレンアンテナと比べて極めて小さくなることが分かった。 (3)散乱・反射による損失 拡散反射型光無線では、物体面での光波の散乱問題が重要である。種々の材料を用いた実験により、散乱以外に、鏡面反射の存在を確認した。これは、ランバルトのモデルでは表現できず、フォングのモデルの導入をすれば、より正確に表現できる。 スペックルの性質を明らかにするため、スペックルの強度変動と空間的広がりの距離特性を測定した。強度変動の評価には、従来から用いられているスペックルコントラストに加えて、スペックル変動パラメータを定義し用いた。アクリルのような、特異散乱材質でも適用できることを示した。 (4)その他の宇宙ごみ環境の問題 宇宙ごみを電波で観測する方法として、バイスタティックレーダを提案し実験したが、そのデータ処理を進め、同方式の有用性が確認できた。 宇宙ごみ環境としては、1998年から2002年まで、しし座流星群(Leonids)が著しい流星雨を引き起こして来た。これが人工衛星や宇宙基地等に衝突すると、大きな被害を起こす可能性があるため、IADC(宇宙ごみ機関調整会議)の提唱のもとに、しし座流星群の観測を行った。日本では、「レオニード流星群観測小研究会」を組織し、流星観測法の改善、光学観測と電波観測の照合、流星情報の交換等に、大きな効果を発揮した。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 卯尾豊明, 戸田知朗, 高野忠: "低次の非球面近似で実現する修整光アンテナの提案"電子情報通信学会論文誌. J85-B, No.12. 2342-2353 (2002)
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[Publications] A.Kadokura, H.Yamagishi, N.Sato, M.Ejiri, H.Hirosawa, T.Yamagami, S, Torii, F.Tohyama, M.Nakagawa, T Okada, E.A.Bering: "Polar Patrol Balloon Experiment in Antarctica during 2002-2003"Advances in Polar Upper Atmosphere Research (APUAR). No.16. 157-172 (2002)
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[Publications] T.Takano: "Lightwave Antennas for Inter-satellite Communications, June 2002"IEEE MTT, IMS-2002 workshop. (2002)
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[Publications] K.Ohnishi et al.: "Radiant Observation Project of Leonids 2001"2002 Intn'l Scie. Symp. on the Leonids Meteor Storms II-8 (poster). (2002)
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[Publications] T.Takano: "Leonids Measurement 2001 in Japan"20th IADC, Guildford, UK. (2002)
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[Publications] 豊島良彦, 高野忠: "鏡面反射を伴う材質からの散乱光のスペックル効果"2002年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会. B-10-105. (2002)
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[Publications] 大西浩次, 他: "しし座流星群の輻射点領域観測プロジェクト"日本天文学会2002年春季大会. A31a. (2002)
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[Publications] 栄樂正光, 高野忠, 吉川真: "内之浦シュミットカメラによるしし座流星群の輻射点観測"日本天文学会2002年春季大会、ポスターセッション、3月. (2002)
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[Publications] 高野忠: "光宇宙通信と重力波検出衛星用光トランスポンダ"第1回スペース重力波アンテナ研究会、5月. (2002)
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[Publications] 田中孝治, 矢守章, 佐々木進: "宇宙デブリ衝突に関する地上模擬実験と大電力宇宙機への影響"第21回宇宙エネルギーシンポジウム,(相模原,2002). (2002)
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[Publications] 遠山文雄, J.G.Hawkins: "東海大学・アラスカ大学共同ロケット実験プロジェクト"東海大学紀要工学部. 41, No,2. 41-49 (2002)
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[Publications] 小西陽介, 田中孝治, 矢守章, 田中真, 佐々木進: "薄膜材料への超高速飛翔体衝突におけるプラズマ生成に関する基礎実験"第22回縮エネルギーシンポジウム,(相模原,2003). (2003)
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[Publications] 小西陽介, 田中真, 田中孝治, 佐々木進: "レールガンを用いた高速飛翔体による薄膜破壊実験"スペース・プラズマ研究会,(相模原,2003). (2003)
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[Publications] 大西浩二, 他: "2001年しし座流星群における位流星分布"日本天文学会2002年春期大会. (2002)
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[Publications] 田中孝治, 矢守章, 佐々木進: "レーガンを用いた高速飛翔体による薄膜破裂実験"スペース・プラズマ研究会、(相模原、2002). (2002)