2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12556043
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
林 真紀夫 東海大学, 開発工学部, 教授 (60092087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 晃 東海大学, 開発工学部, 講師 (50240958)
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Keywords | 温室 / 冷房 / 細霧システム / 細霧冷房 / 温室内環境 / 温湿度環境 |
Research Abstract |
本年度は、作物栽培温室において冷房時の環境計測を行い、主として細霧冷房温室内の温湿度環境の実態を把握した。 1.冷房時の温室内環境の計測と環境動態特性の解析 床面積約1haのトマト栽培大型温室を供試し、夏期昼間に細霧システムによる冷房を行った時の、温室内外の温度・湿度・日射量・風速・地表伝熱などの連続計測を行った。温室内の連続した高湿度化および作物の連続した濡れを避けるために、細霧噴霧は断続的(噴霧時間約45秒、噴霧停止時間約6分)とした。計測から、以下の結果を得た。 1)無冷房時の温室内気温(室温)は外気温よりも約1℃高かった。細霧噴霧によって室温は最大3〜4℃低下し、細霧噴霧停止後に外気温近くまで上昇した。このときの平均室温は、外気温よりも約1℃低くなった。細霧噴霧によって室温は低下したものの、湿球温度までは低下しなかったことから、1回の噴霧時間を長くすることで、室温をさらに下げることが可能と考えられた。また、噴霧回数を増やすことで、平均室温をさらに下げることが可能と考えられた。 2)細霧噴霧による室温低下は、ノズル設置位置より下で大きく、上では小さかった。 3)温室内相対湿度は、細霧噴霧によって上昇したものの、100%には達しなかった。湿度上昇は、細霧噴霧時間に依存しているといえる。 4)細霧噴霧によって、細霧が植物体葉面に付着したが、数分で蒸発し、次の細霧噴霧までには、付着細霧は消滅した。 2.冷房時の熱収支による換気回数の算出 温室内外の環境測定データを用い、冷房時の温室の熱収支解析を進めた。熱収支解析により、温室の換気回数を算出し、屋外気象条件と換気回数の関係を解析した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 金子拓生,白川博進,村井亮太,林真紀夫: "大型温室における細霧冷房時の温湿度環境の実測例"日本植物工場学会平成12年度東海支部大会研究発表要旨. 6-6 (2001)
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[Publications] 林真紀夫: "施設内環境制御システム 温湿度管理-夏期の温湿度管理-環境制御技術"農業経営者. No.60. 88-90 (2001)
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[Publications] 林真紀夫: "細霧システムを利用した温室内環境制御技術"農耕と園芸. 5月号. 161-164 (2000)