2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12556043
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
林 真紀夫 東海大学, 開発工学部, 教授 (60092087)
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Keywords | 温室 / 冷房 / 細霧システム / 細霧冷房 / 温室内環境 / 温湿度環境 / 高温対策 |
Research Abstract |
本年度は、細霧システムによる温室冷房において、細霧システムの運転制御法を検討する上で必要不可欠な基礎データを得ることを目的とし、計測・解析を行った。特に、最近導入が増えつつある大型フェンロー温室では、夏期の高温対策が重要課題となっていることから、床面積1haの大型フェンロー温室を供試して、温室の換気特性の計測、冷房時の温室内の水収支解析、冷房時の遮光カーテン開時・閉時の温湿度環境計測を行った。換気率計測は、対照として床面積1800m^2の従来型温室でも行った。 1)換気特性 温室の換気率を熱収支法により求めた。窓換気温室の換気率は、屋外風速の増加とともに直線的に増加した。大型フェンロー温室の換気率は、同じ屋外風速のとき、従来型温室のそれの1/4から1/6と小さく、温室の大きさ・形状・換気窓条件によって、換気率がかなり異なることが分かった。 2)冷房時の水収支解析 水収支解析から、温室内の蒸発散量は、温室内日射量・細霧噴霧量・空気飽差の3要因の影響が大きいことが示された。また、細霧の断続噴霧による冷房中の蒸発散量は、細霧噴霧量を上回ることがあり、床面からの蒸発量も無視し得ないことが分かった。 3)冷房時の遮光カーテン開時・閉時の温湿度環境 実用温室では、冷房時に遮光カーテンを併用している場合があることから、カーテン開時と閉時における栽培空間の温湿度環境の違いを調べた。その結果、遮光カーテンの開度によってことなるものの、遮光カーテン閉によってカーテン下の日射量は低下する一方、遮光カーテン80%閉時の気温および絶対湿度は、全開時のそれより高くなった。相対湿度は条件によって、高低関係が異なった。このことから、遮光カーテンの最適開閉制御法の検討も重要であると考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 金子拓生, 林 真紀夫, 白川博進, 村井亮太: "大型フェンロー温室における自然換気型細霧冷房時の温湿度環境側定例"農業環境工学関連4学会2001年合同大会講演要旨集. 56-56 (2001)
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[Publications] 林 真紀夫: "細霧冷房の上手な利用方法を教えて下さい"施設と園芸. 113. 68-68 (2001)
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[Publications] 林 真紀夫(分担): "冷房(農業技術体系 花卉編 第3巻 環境要素とその制御)"農山漁村文化協会. 449-458 (2001)