2001 Fiscal Year Annual Research Report
Duchenne型筋ジストロフィーの新しい治療法の展開
Project/Area Number |
12557068
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松尾 雅文 神戸大学, 医学部, 教授 (10157266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹島 泰弘 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (40281141)
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Keywords | ジストロフィン / Duchenne型 / 筋ジストロフィー / 治療 / エクソン / スキッピング / アンチセンス |
Research Abstract |
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)の治療法として、ジストロフィンmRNAのアミノ酸読み取り枠のずれをスプライシングにエクソンのスキッピングを誘導して直し、ジストロフィン産生をもたらす治療が選択肢の1つとなっている。 これは、ジストロフィン遺伝子の遺伝子欠失のホットスポット領域に位置するエクソンを欠失したDMD患者の筋細胞で、欠失に隣接したエクソンのスキッピングを誘導することによりmRNAを修正してジストロフィンを合成しようとするものである。 この基本的な技術であるエクソンのスキッピングの誘導はエクソン配列内のスプライシング促進配列の機能を阻害することにより可能である。そこで、エクソン内に存在するスプライシング促進配列を明らかにすることに着手した。遺伝子欠失ホットスポット領域に隣接するエクソン44・46などのエクソンの塩基配列の中から、スプライシング促進機能を有すると考えられる配列をポリプリンなどの構造の特徴から選択した。そして、ショウジョウバエDSX遺伝子のスプライシング反応を応用したスプライシング促進配列解析用ミニ遺伝子に、先に合成した候補DNAを組み込み、その転写産物をHeLa細胞核抽出液と混じてスプライシング反応を進行させた。その反応産物を解析して各種の候補配列の中から最も強力なスプライシング促進機能を有する配列を明らかにした。・先に解明したスプライシング促進配列に相補的な塩基配列からなるS化したDNAを合成し、これをリポフェクタミンと混じ培養リンパ芽球に導入し、エクソンスキッピング効果を判定した。その結果、1部のアンチセンスオリゴヌクレオチドがエクソンスキッピング誘導効果をもつことが判明した。今後、筋細胞を用いてアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果を明らかにする予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ito T.: "One of three examined purine-rich sequence selected from dystrophin exons exhibits splicing enhancer activity"Acta Myologica. 2. 151-153 (2001)
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[Publications] Matsuo M.: "Treatment of Duchenne muscular dystrophy at the mRNA level"Frontiers in human genetics diseases and technologies. 347-361 (2001)
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[Publications] Tachi N.: "Fukuyama muscular dystrophy associated with lack of C-terminal domain of dystrophin"Pediatr. Neurol. 24. 373-378 (2001)
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[Publications] Takeshima Y.: "Nakamura, H, Matsuo, M. Oligonucleotides against a splicing enhancer sequence led to dystrophin production in muscle cells from a Duchenne muscular dystrophy patient"Brain Dev.. 23. 788-798 (2001)
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[Publications] Ito T.: "Purine-rich exon sequences are not necessarily splicing enhancer sequence in the dystrophin gene"Kobe. J. Med. Sci.. 47. 193-202 (2001)