2003 Fiscal Year Annual Research Report
精子抗原ペプチド発現微生物を用いた遺伝子経粘膜ワクチンの開発
Project/Area Number |
12557137
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKUSHIMA |
Principal Investigator |
前川 正彦 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80253201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苛原 稔 徳島大学, 医学部, 教授 (20160070)
木戸 博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50144978)
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Keywords | 避妊ワクチン / 遺伝子ワクチン / 精子抗原 / ペプチド |
Research Abstract |
主任研究者らは,これまで蓄積してきた抗精子抗体(精子不動化抗体)による免疫性不妊症の研究成果に基づき,精子抗原を利用した避妊ワクチンの開発を試みてきた。本研究において、精子不動化抗体の対応抗原である可能性が示唆されているrSMP-Bと抗精子抗体の対応抗原として同定された80kDa Human Sperm Antigen(HSA)を避妊ワクチンのターゲットとして以下の成果を得た。 (1)ラットの精巣ライブラリーをもとにrSMP-Bをコードする遺伝子に対するプライマーを用いてPCRをおこない、rSMP-Bをコードしている遺伝子が既にGenBank"808109"で報告されているRSD-1と4個の核酸が異なっていること(position 770-773,ATAT→position 770-777:CACTCTG)と、その結果3アミノ酸が異なること(His-Met→Pro-Leu-Try)を明らかにした。 (2)RSD-1遺伝子をp3xFLAF-CMV-14発現ベクターに組み込み、さらにヒト培養細胞Human Embryonic Kidney 293 (HEK293)に導入することにより、HEK293細胞におけるrSMP-Bの発現を抗FLAG抗体で標識したウエスタンブロット法で明らかにした。 (3)80kDa-HSAのアミノ酸配列からN末端ペプチドを含めた5種類の合成ペプチドを作成してそれぞれを家兎に能動免疫し、4種類の合成ペプチドに抗体が産生されることをELISA法で確認した。ヒト精子抗原をウエスタンブロット法により4種類の抗体を用いて染色すると、それぞれの抗体は約80kDaのバンドを標識し、また各々の抗体がラット、ヒトおよびサル精子を凝集することを明らかにした。 今後、遺伝子銃を用いて作成したrSMP-B発現ベクターをラットに能動免疫しDNAワクチンとしての効果を検討するとともに、80kDa-HSAについてもDNAワクチン開発のための基礎的検討を進めていく。
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[Publications] Vernekar VJ et al.: "Studies with synthetic peptide of 80 kDa human sperm antigen (80 kDa HAS)"Am J Reprod Immunol. 51. 106-111 (2004)
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[Publications] Yamamoto S et al.: "Development of expression vector encoding sperm protein, designated rSMP-B, as an immunocontraceptive"Reprod Immunol Biol. 19(In press). (2004)
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[Publications] Hinokio K et al.: "Lysophatidic acid stimulus nuclear and cytoplasmic maturation of golden hamster immature oocvtes in vitro via cumulus cells"Life Sci. 70. 759-767 (2002)
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[Publications] Maegawa M et al.: "A repertoire of cytokines in human seminal plasma"J Reprod Immunol. 54. 33-42 (2002)
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[Publications] Maegawa M et al.: "Involvement of carbohydrate molecules on zona pellucida in human fertilization"J Reprod Immunol. 53. 79-89 (2002)