2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12557152
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
前田 健康 新潟大学, 歯学部, 教授 (40183941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 仁 新潟大学, 歯学部, 助手 (80265165)
田口 直幸 新潟大学, 歯学部, 講師 (60272829)
大島 勇人 新潟大学, 歯学部, 助教授 (70251824)
藤井 規孝 新潟大学, 歯学部, 助手 (90313527)
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Keywords | チタン / インプラント / PC12細胞 / 新生骨 / TRAP / 細胞培養 / PGP9.5 / 組織反応 |
Research Abstract |
1.大阪大学医学研究科内山教授より供与されたPC12細胞を培養し、基礎的実験を行った。PC12細胞は神経栄養因子(NGF)非添加培地では小円形の形態を示し、高い分裂能、増殖能を示した。培地にNGFを添加したところ、PC12細胞から細長い突起を伸展させた。この突起からはさらに小突起が伸び出ていた。この細胞を神経特異蛋白の一つであるprotein gene product 9.5抗体を用いた免疫染色にて染色したところ、すべての培養細胞が強い免疫反応を示した。免疫反応は細胞質に限局しており、また細胞核は免疫反応陰性であった。さらにこの細胞を固定、脱水後、走査型電子顕微鏡で観察した。以上の結果よりこの細胞が神経細胞様特徴を持つ細胞で次年次以降の研究計画に利用可能であることが示された。 2.チタンインプラント植立に対する組織反応を検討するため、ラット上顎骨インプラント植立モデルを作成し、チタンインプラントにおける新生骨形成過程を微細構造学的、酵素組織化学的に検討した。インプラント植立後3日になると窩洞側壁部にはTRAP陽性細胞による著名な骨吸収が観察されたが、窩底部では骨吸収がみられなかった。術後5日では側壁部では骨吸収とともに新生骨の形成が認められたが、窩底部では骨吸収が起こることなく新生骨が形成されていた。術後7〜14日で急速な新生骨形成が進行しており、術後28日でほぼ光顕的骨性結合が獲得されていた。しかしながら、微細構造学的には側壁部には傷害を受けた既存骨が残存しており、また窩洞とインプラントの間隙が大であったところにはその間隙に扁平な細胞が介在していた。この結果より、インプラントと窩壁との間隙が新生骨形成に重要な役割を果たしていることが明らかにされた。
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