2002 Fiscal Year Annual Research Report
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12557152
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
前田 健康 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40183941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 規孝 新潟大学, 大学院・歯学総合研究科, 助手 (90313527)
網塚 憲生 新潟大学, 大学院・歯学総合研究科, 助教授 (30242431)
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Keywords | インプラント / チタン / 表面処理 / サンドブラスト / ハイドロキシアパタイト / 骨形成 / 上顎骨 / ラット |
Research Abstract |
異なる表面性状をもつ2種類のチタンインプラント、すなわちサンドブラスト処理後、酸エッチングしたインプラント(SA群)およびhydroxyapatiteコーティングインプラント(HA群)を、ラット上顎骨に植立し、インプラント周囲組織治癒過程を微細構造学的・酵素組織化学的に検索し、骨性結合獲得過程を比較検討した。 術後5日では、SA群側壁部は線維芽細胞様細胞によるインプラント体の被包が認められたのに対し、HA群では明らかな細胞被包は認められず、インプラント体表面にはclear zoneを有するが波状縁を欠くTRAPase陽性の破骨細胞様細胞が位置し、その近傍に前骨芽細胞、TRAPase陽性の前破骨細胞が観察された。術後7日のSA群側壁部では、既存骨からインプラント体に向かって新生骨の形成が進行していたのに対し、HA群ではインプラント体表面から直接新生骨が形成されている部位が認められ、その部位のインプラント・周囲組織界面には細胞成分が介在していなかった。両群共に底部では島状の骨形成が進行したが、HA群のインプラント・骨界面では、インプラント体表面から直接骨形成が起こっている部位が観察された。術後14〜28日SA群では既存骨表面の骨芽細胞はインプラント体を背にして配列しているのに対し、HA群では骨芽細胞が既存骨を背にして配列している部位が認められ、そのような部位のインプラント・骨界面には細胞成分は介在しなかった。一方、インプラント体と既存骨が密接している部位では、両群共に長期にわたり骨吸収ならびに骨形成が妨げられていた。 以上の結果から、インプラント体表面の形態は骨形成過程に影響を及ぼさないことが明らかとなった。イトにおける骨伝導能の有無に起因していると思われた。 3年間にわたる研究成果を大韓民国・延世大学・歯学部Han-Sung Jung教授にレビューを受けた。
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[Publications] N.Fujii ほか: "Regeneration of Nerve Fibers in the Pen-Implant Epithelium Incident to Implantation in the Rat Maxilla as Demonstrated by Immunocytochemistry for Protein Gene Product 9.5 (PGP 9.5) and Calcitonin Gene-Related Peptide (CGRP)"Clinical Oral Implants Research. (印刷中). (2003)
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[Publications] M.Shirakura ほか: "Tissue Response to Titanium Implantation in the Rat Maxilla, with Special Reference to the Effects of Surface Conditions on Bone Formation"Clinical Oral Implants Research. (印刷中). (2003)