2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型モノクローナル抗体を利用した新しいバイオフィルム感染症予防法の確立
Project/Area Number |
12557158
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
泉福 英信 国立感染症研究所, 口腔科学部, 主任研究官 (20250186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 敏彦 国立感染症研究所, 動物管理室, 室長 (60100062)
村田 貴俊 新潟大学, 歯学部, 助手 (10313529)
花田 信弘 国立感染症研究所, 口腔科学部, 部長 (70180916)
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Keywords | NOD-scidマウス / Streptococccus mutans / PAc(361-386)ペプチド / HLA-DR / 唾液 / モノクローナル抗体 / PBMC / IL-4 |
Research Abstract |
PAc(361-377)ペプチドは、S.mutansの歯表面への付着阻害効果を有するマウス抗体の認識するB細胞エピトープとT細胞エピトープを有することが明かとなっている。また、PAc(369-387)ペフチドが4つのHLA-DR分子と相互作用するマルチなアグレトープを含んでいることが明かとなった。以上よりPAc(361-386)ペプチドは、阻害抗体の認識するB細胞エピトープとマルチアグレトープを有するワクチン抗原の候補となると考えられた。実際にこのペプチドがヒトにおいて有効に免疫原として作用するか検討しなければならない。そこで、ヒト被験者から唾液を採取して、唾液のペプチドIgA抗体量と唾液中のS.mutans量とDMFTとの相関関係を検討した。その結果、ペプチド抗体を有する被験者は唾液S.mutans量もDMFTも低下していることが明かとなった。また抗体誘導の感受性を検討すると、HLA-DR分子(DRB1^*0405、DRB1^*1301)を有する被験者においてその抗体誘導が認められた。ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を定着させたNOD-scidマウスにこのペプチドを免疫することによりヒト型阻害抗体を誘導することができるか検討を行った。その際の、PBMCを移植したNOD-scidマウスの確立は、IL-4とフロイント完全、不完全アジュバントを投与する方法にて行った。その結果、DRB1^*0405とDRB1^*1301を有する被験者のPBMCを移植したN0D-scidマウスにおいてペプチド抗体を誘導することができた。今後、DRB1^*0405とDRB1^*1301などのHLA-DR分子を有する被験者PBMCを移植したNOD-scidマウスにペプチドを免疫して感作されたヒトリンパ球を利用して、クローニング後、ヒト型抗ペプチド抗体を分泌する細胞をスクリーニングする予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Takeuchi, K.Fukushima, H.Senpuku 他: "Clinical study of mutans streptococcul Using 3DS and monoclonal antibodies"J. J. Infect. Dis.. 54. 34-36 (2001)
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[Publications] Y.Nomura, H.Senpuku, N.Hanada 他: "Mutans streptococcul and Lactobacillus as risk factors for dental caries"J. J. Infect. Dis.. 54. 43-45 (2001)
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[Publications] H.Senpuku, K.Matin, S.MD.Abdus 他: "Inhibitory effects of monoclonal antibodies against a surface protein antigen in real-time adherence in vitro"Scand. J. Immunol.. 54. 109-116 (2001)
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[Publications] Y.Nomura, A.Eto, N.Haneda, H.Senpuku: "Identification of motif binding with HLA-DR8(DRB^*0802)for peptide vaccine against streptococcus mutans"Oral. Microbiol. Immunol.. (in press). (2002)
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[Publications] 泉福英信, 花田信弘: "ここまでわかってきた口腔バイオフィルム感染症の実態とその予防"デンタル ダイヤモンド. 26. 82-86 (2001)
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[Publications] 安部井寿人, 花田信弘, 泉福英信: "3DSを用いた齢蝕予防の臨床導入"クインテッセンス. 20. 167-174 (2001)
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[Publications] 泉福英信, 野村義明, 花田信弘: "The Quintessence Year Book:齢蝕細菌をゼロにする試み"クインテッセンス出版. 114-119 (2001)