2000 Fiscal Year Annual Research Report
コンビナトリアルライブラリーを用いた感染性心内膜炎予防のためのリード化合物探索
Project/Area Number |
12557187
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
井上 昌一 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (30028740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
軒原 清史 島津総合科学研究所, 主席研究員 (60137073)
伊藤 博夫 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (40213079)
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Keywords | ペプチドライブラリー / デコンボルーション / 口腔細菌 / 感染性心内膜炎 / フィブロネクチン / モノクローナル抗体 / ポジションスキャン |
Research Abstract |
感染性心内膜炎は、血流中に偶然侵入した微生物が患者の心内膜に定着し増殖することにより成立する。種々の細菌の心内膜への定着に、宿主のフイブロネクチン(Fn)への付着能が関与することが示唆されている。本研究の達成目標は、Granulicatella adiacensが表現するFn結合性物質をモデルとして、種々の細菌種による心内膜炎の発症を抑制する低分子化合物を探索することである。本年度の研究において、井上と伊藤はG.adiacensのFnへの付着を阻止する抗Fnモノクローナル抗体(mAb)の樹立に成功した。一方、軒原は約6000万種のへキサペプチドから構成される、1粒の固相担体には1種類のみのペプチドが固定されているランダム・ペプチド・ライブラリーを構築した。そこで、この抑制性mAbの認識するFn上のエピトープを表現するペプチドを決定すべく、mAb反応性のビーズをスクリーニングした。選択されたビーズ上のペプチドの一次構造解析に関しての効果的な手法はまだ知られていない。このため、アミノ酸配列解析を従来のエドマン分解を用いる手法に加えて、より高効率ハイスループット法の開発に軒原は取り組んだ。これと平行して軒原は、ポジション・スキャニング・ライブラリーを構築した。このライブラリーは特定位置に特定アミノ酸を擁するためランダムライブラリーに比べてターゲット配列の推定がより確実であり、二次ライブラリーの検討が効率よく行いうる。井上と伊藤はこのライブラリー中からFnに付着することによって菌の付着を抑制する、すなわち菌表層のFn結合性物質を模倣するものを見い出すべくスクリーニングを行い、さらに先にランダム・ペプチド・ライブラリーを用いて得られた配列との相補性からターゲット候補をより絞った二次ライブラリー構築へ進める予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Soutome,S.: "Identification of a New Bacterial Binding Region of Fibronectin Molecule"J.Dent.Res. (in press).
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[Publications] 五月女さき子: "Abiotrophia adiacensのフィブロネクチン付着を阻害するモノクローナル抗体の作製"口腔衛生会誌. 50・4. 590-591 (2000)
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[Publications] Nokihara,K.: "Solid-phase Synthesis of Peptides having Difficult Sequences : Synthesis of Peptides Related to the HIV-V3 Region for Immunological Studies"Peptide Science. (in press).
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[Publications] 軒原清史: "コンビナトリアルケミストリーの最近の進歩:ライブラリーの検定のためのコンビナトリアル分析(ハイフン入りテクノロジー)"化学と生物. 39・1. 56-621 (2001)