2000 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質の折れ畳み過程を追跡するための高速分光システムの開発
Project/Area Number |
12558081
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 聡 京都大学, 工学研究科, 助手 (30283641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石森 浩一郎 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20192487)
原田 最之 島津製作所, 分析機器事業部, 副主任
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Keywords | 折れ畳み過程 / 高速分光システム / CD分光法 |
Research Abstract |
本研究では,蛋白質の折り畳み過程を追跡するための実験装置の開発を行なう。特に,蛋白質の三次構造形成をモニターするために有効である近紫外域のCDスペクトルを,感度よく検出するための新しい分光器を開発する。今年度の成果を以下に説明する。 1)分光効率高いプリズム分光器の開発。微弱なCD信号を検出するために,分光効率が高く,迷光の少ない分光器を開発する必要がある。そのため,本研究ではオフプレーンプリズム・フラットフィールド分光器という新しいデザインの分光器を新しく設計・開発を行なった。 2)上で設計したプリズム分光器に,光のマルチチャンネル検出を可能にするCCD検出器を取りつけ,分光システムの製作を完成した。また,CDスペクトルの測定を行なうための光学素子として,ベレック板と呼ばれる偏光回転板を使うことにした。 3)高速の溶液ミキサーの開発。折り畳みの初期過程を観察するために,高速の溶液ミキサーが必要である。本研究では,従来のミキサーに改良を加え,溶液混合時間を約200μ秒から,約50μ秒にまで短縮した。 以上の努力により,今年度は,従来に無い非常に明るい分光装置の開発に成功した。来年度は,開発した分光システムと溶液ミキサーを組み合わせて,CDスペクトルの測定とそれに伴う問題点の解決を行なう。装置開発が完成した時点で,シトクロムcやアポミオグロビンなどの蛋白質系での測定を行なうことを目的とする。
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[Publications] Akiyama,S., et al.: "Stepwise formation of α-helices during cytochrme c folding"Nature Structural Biology. 7. 514-520 (2000)
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[Publications] 高橋秋山: "蛋白質の折り畳み運動を捉える"蛋白質・核酸・酵素. (予定). (2001)