2000 Fiscal Year Annual Research Report
アジア都市における「小さな社会的な場」の発生と安心空間関する環境心理学的研究
Project/Area Number |
12571007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南 博文 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (20192362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 哲司 茨城大学, 人文学部, 助教授 (70250975)
出口 敦 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (70222148)
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Keywords | アジア地域 / 都市環境 / 社会的な場 / 安心空間 / 環境心理学 |
Research Abstract |
アジアの都市における「小さな社会的な場」の生態を環境心理学の視点から探る本研究の初年度においては以下の活動を行った。 1)第一期現地調査(調査実施期間:平成12年7月〜平成13年3月) 福岡市、台中市、ソウル市、ハノイ市それぞれにおいて、複数の街区をサンプリングし、街路・商店街形態のデザインサーベイを行い、行動場面(一定の行動がくり返される空間的、時間的セッティング)の観察調査と、屋外での対人相互交流が活発に行われている露店・夜店・公園・街路上の集合などの観察地点において社会的相互作用やコミュニケーション形態に関するフィールドワークを行った。 2)共同研究者会議の開催(平成12年8月) 今後3年間の共同研究において、それぞれの文化的背景を考慮しながら、相互比較が可能となるような観察の手続き、フィールドワークの具体的方法論について参加者間で協議した。また、アジア都市の屋外における人間-環境交流をとらえる新しい概念枠を構成するために、高密度環境、路地文化などを中心に理論的な検討を行った。 3)ソシオ・トープに関する分析(分析期間:平成12年11月〜平成13年3月) 第一期現地調査によって収集されたデータを、次の観点から分析した。 (1)街路における人の流れの時系列的変化 (2)商店を中心とした対人交流、コミュニケーション形態の動態分析 (3)露店に関する各都市の法的規制および運用の実態 (4)路地における「人の集まり」の形態および構造の分析
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[Publications] 出口敦,南博文: "アジア的「高密度都市環境」の再考"アジア都市研究. 1・1. 3-6 (2000)
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[Publications] 藤山英昭,南博文: "高密度環境への視点(1)-クラウディング研究の概念と展望"アジア都市研究. 1・1. 7-18 (2000)
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[Publications] 永吉智郁代,南博文: "高密度環境への視点(2)-快適性研究の概念と展望"アジア都市研究. 1・1. 19-26 (2000)
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[Publications] 志賀正規,出口敦: "近代都市計画における「密度」へのアプローチ"アジア都市研究. 1・1. 27-36 (2000)
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[Publications] 馬場健彦,南博文: "アジア都市におけるにぎわいの構造(1)-台北,ハノイ現地調査報告"アジア都市研究. 1・1. 37-58 (2000)
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[Publications] 本田あす香,志賀正規,出口敦,萩島哲: "公共空間の占用に関する制度と実態-ソウル市と福岡市の事例"アジア都市研究. 1・1. 59-74 (2000)
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[Publications] 本田あす香,志賀正規,出口敦,萩島哲: "ソウル市の公共空間における「占用」と高密度な「賑わい」の関係性"アジア都市研究. 1・1. 75-99 (2000)