2002 Fiscal Year Annual Research Report
ベラルーシ、ウクライナ、ロシアにおけるチェルノブイリ原発事故研究の現状調査
Project/Area Number |
12572036
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
今中 哲二 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (90109083)
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Keywords | チェルノブイリ / 原発事故 / ベラルーシ / ウクライナ / ロシア |
Research Abstract |
3年計画の最終年度として平成14年度には、チェルノブイリ原発事故に関して興味深い研究を行っているベラルーシ、ウクライナ、ロシアの研究者による論文22編と今中の論文1編をまとめ、京都大学原子炉実験所テクニカルレポートKURRI-KR-79として平成14年7月に出版した。また、各研究者との議論や最近の論文・資料を基に今中は、「運転員はなぜAZ5ボタンを押したか:チェルノブイリ原発事故の暴走プロセス」ならびに「水素爆発か核爆発か:チェルノブイリ原発4号炉爆発の正体」という論文を「技術と人間」誌に発表した。平成14年9月には、日本放射線影響学会において「ベラルーシ、ウクライナ、ロシアにおけるチェルノブイリ原発事故研究の現状調査報告」と題して口頭発表を行い、平成15年1月には、同様のタイトルで、京都大学原子炉実験所学術講演会においてポスター発表を行った。 海外調査として今中は、平成14年8月末から9月はじめにかけて、ロシアのエコロジー進化問題研究所、一般遺伝学研究所、医学放射能研究センターなど、ベラルーシの原子力合同研究所、放射線生物学研究所など、リトアニアの物理研究所、イグナリーナ原発などを訪問し、10月末から11月はじめにかけて、ウクライナの放射線医学研究センター、チェルノブイリ原発など、ブルガリアの放射線防護研究所、一般エコロジー中央ラボなどを訪問し、チェルノブイリ事故影響研究の現状に関する調査を行った。また、平成15年2月には、ベラルーシ・原子力合同研究所のMalko博士を日本に招へいし、チェルノブイリ事故に関する総合的な議論を行うとともに、Malko博士の講演会を京都大学原子炉実験所と東京で開催した。 なお、本研究にともなう成果は、逐次ホームページ(http://www-j.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/)に掲載している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Imanaka: "Assessment of External Dose to Inhabitants Evacuated from the 30-km Zone Soon after the Chernobyl Accident"РАДИАЦИОННАЯ БИОЛОГИЯ, РАДИОЭКОЛОГИЯ. 40. 582-588 (2000)
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[Publications] 今中哲二: "チェルノブイリ原発事故とその放射能災害の概要"ロシア研究. 33. 79-99 (2001)
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[Publications] 今中哲二: "運転員はなぜAZ5ボタンを押したか:チエルノプイリ原発事故の暴走プロセス"技術と人間. 31 No.5. 10-20 (2002)
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[Publications] 今中哲二: "水素爆発か核爆発か:チェルノブイリ原発4号炉爆発の正体"技術と人間. 31 No.7. 78-91 (2002)
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[Publications] 今中哲二, 小出裕章, 小林圭二, 川野真治, 海老澤徹, 渡辺美紀子, 平野進一郎: "ベラルーシ、ウクライナ、ロシアにおけるチェルノブイリ原発事故研究の現状調査報告"京都大学原子炉実験所第37同学術講演会報文集. 150-155 (2003)
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[Publications] Imanaka T. Ed.: "Recent Research Activities about the Chernobyl NPP Accident in Belarus, Ukraine and Russia"KUR Report of the Research Reactor Institute of Kyoto University (KURRI -KR-79). 306 (2002)