2000 Fiscal Year Annual Research Report
南北極冠域の地磁気・オーロラ観測による磁気圏境界現象の研究
Project/Area Number |
12573007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福西 浩 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90099937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂野井 健 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80271857)
高橋 幸弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50236329)
岡野 章一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10004483)
田口 真 国立極地研究所, 助教授 (70236404)
山岸 久雄 国立極地研究所, 教授 (20132714)
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Keywords | 極冠域 / 地磁気 / オーロラ / 磁気圏境界 / 太陽風 / 南極無人観測所 / プロトンホロラ / 磁気インパルス現象 |
Research Abstract |
磁気緯度75度よりも高緯度領域は、磁気圏境界領域と太陽風との相互作用を理解する上で極めて重要な領域であるが、これまで、オーロラ観測の空白域となっていた。本研究では、国際共同研究により、南北両半球でオーロラ光学観測、地磁気観測を実施し、得られたデータをもとに、磁気圏境界領域で生じている現象を理解することを目指している。今年度は、1)ノルウェー(Longyearbyen(磁気緯度75.3N))でのオーロラ観測、2)南極無人観測所(AGO)で取得されたデータ解析を行ない、以下の成果が得られた。 1)1999年からのLongyearbyenでの定常観測を引き続き行ない、磁気圏・惑星間空間衛星観測データと比較可能なオーロラデータを取得した。夕方側マグネトポーズに隣接するBPS領域の10keVプロトンが、太陽風動圧変動に応答する形で電離圏に降り込んだ結果発光したと考えられる強いプロトンオーロラのデータが得られた。BPS領域のプロトンを10keV程度まで加熱する機構としては、磁気圏の圧縮効果とSSCに伴うサブストーム効果の2つが考えられる。 2)振幅100nTを超える磁気インパルス現象(MIE)11例を、AGOデータ、南北両半球レーダー観測網データ、衛星データを用いて調べた結果、以下のことが明らかとなった。MIEに伴う移動性電離圏対流(TCV)は南北両半球に出現する。朝側のMIEはTCVの中心位置がCGM座標の共役点で見られるが、磁気正午付近のMIEではTCVの中心位置が共役点からずれる。朝側のMIEでは、太陽風不連続面とbow shock面が朝側で直交する。一方、磁気正午のMIEでは、太陽風不連続面が太陽地球方向に平行になるときに、MIEが発生している。このことから、太陽風不連続とbow shockの相互作用が、MIEの発生に重要な役割を果たしていることが示唆される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Shiokawa,K.,W.Baumjohann,G.Haerendel,H.Fukunishi,: "High-and low-latitude observations of adiabatic parameters associated with auroral electron acceleration"Journal of Geophysical Research. 105・A2. 2541-2550 (2000)
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[Publications] N.Yoshida,S.Watanabe,H.Fukunishi,T.Sakanoi 他7名: "Coordinated Akebono and EISCAT observations of suprathermalion outflows in the nightside inverted-V region"Journal of Atmospheric and Solar-Terrestrial Physics. 62. 449-465 (2000)
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[Publications] Y.Takahashi and H.Fukunishi: "The dynamics of the proton aurora in auroral breakup events"Journal of Geophysical Research. 106・A1. 45-63 (2001)
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[Publications] H.Fukunishi,R.Kataoka, 他3名: "Diagnosis of Magnetospheric Boundary Processes Using MIE-related Pc I Waves"EOS Trans.. F1025 (2000)
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[Publications] Kataoka,R.,H.Fukunshi, 他8名: "Magnetic Impulse Events : A multi event study of extended ground and space observations"EOS Trans.. F1003 (2000)