2001 Fiscal Year Annual Research Report
中国南東部地域における鉱物資源の分布特性および資源量評価のための基礎研究
Project/Area Number |
12574012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金田 博彰 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10092181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正路 徹也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40011093)
加藤 泰浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40221882)
小林 祥一 倉敷芸術科学大学, 産業科学技術学部, 教授 (20109739)
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Keywords | 銅陵 / 徳銅 / 斑岩型銅鉱床 / 銀山 / 東郷 / 吉山 / 正マグマ成鉱床 / 鳳凰山 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度調査した(平成12年度は9月9日〜30日の期間)中国南京(Nanjin)地域、江蘇省(Jiangsu Province)、安徽省(Anhui Province)、江西省(Jianxi Province)の岩石・鉱石試料の地質学的・鉱物化学的検討を主として試みた。それに併せ、それら地域・鉱床の各種データ収集に努めた。研究に用いた試料の産出鉱床とその地質・鉱物化学的特長は以下の通りである。銅陵(Tongling)鉱床:斑岩型の銅鉱床で鉱石は黄鉄鉱を主とし、その中に黄銅鉱が含まれている。徳銅(Dexing)鉱床:黄鉄鉱を主要鉱物とする斑岩型銅鉱床である。銅の他、金とモリブデンが随伴している。銀山(Yinshan)鉱床・永平(Yongpin)鉱床:銅、鉛、亜鉛を産出する鉱脈型鉱床である。比較的多量の銀鉱物も随伴する。この鉱床は、地殻活動により生成したと考えられる、断層に強く規制されている。断層が鉱液の通路になっており、断層近傍に主として銅鉱物が産し、その周辺部により多量の鉛-亜鉛、さらに遠方の鉛鉱物中に銀が多量に産する。すなわち、帯状配列を示す。永平鉱床は、基本的には斑岩型鉱床であるが、火成岩と石灰岩が接する近傍にはスカルン型鉱石も分布する。いずれも、黄鉄鉱を主とする銅鉱床である。東郷(Dongxiang)鉱床:銅を産出する塊状硫化物鉱床である。銅の他、コバルト、タングステン、金が少量産する。吉山鉱床:先カンブリア時代の輝石閃長岩と輝石安山岩との接触部の破砕対中に胚胎する正マグマ成鉱床である。磁鉄鉱、赤鉄鉱を主として産する。磁鉄鉱のあるものはバナジウム(V)を多量固溶する。黄鉄鉱も小随伴する。冶山鉱床:先カンブリア時代の花崗岩体と苦灰岩との接触部に胚胎するスカルン型鉱床である。磁鉄鉱や赤鉄鉱を主とするが、黄銅鉱や黄鉄鉱などの硫化鉱物も産する。鉱石中の銅の含有量は、0.19%、硫黄の含有量は29.2%もある。馬山鉱床:ジュラ紀の火山活動による熱水作用により生成。磁鉄鉱や赤鉄鉱の他に、黄鉄鉱などの硫化鉱物も含む。鉱石は、またシリカ(石英)含有量も多い。鳳凰山鉱床:先カンブリア時代の輝石閃長岩と堆積ガン類の接触部に胚胎する、正マグマ成鉱床である。鉱石鉱物は、赤鉄鉱と磁鉄鉱を主とする。磁鉄鉱のバナジウム含有量は高く、鉱石中の平均バナジウム含有量は0.26%に至る。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] SHoji, T., Kaneda, H., et al.: "Cs ad Sr behavior in hydrothermal alteration of Li-or Na-borosilicate glasses"Jour.Min.and Maaterials Process. Inst. Japan. 117. 57-62 (2000)
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[Publications] Kaneda, H.: "Mineralogical characteristics of iron ores in the Panzhihung deposits, Sichuan, China"Proc.Intern.Symp.Korea Soc.Econ.& Environ.Geol., Korea.Inst.Min.& Energy Res.. 2001. 234-237 (2001)
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[Publications] Wang, P.A., Ishihara, S., Kaneda, H.: "Metallogeny, mineralogenic series, and gold mineralization of the Qinling orogen, China"Inter.Geol.review. 43・6. 523-538 (2001)