2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12574016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今村 文彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40213243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 智幸 京都大学, 防災研究所, 助手 (40261599)
箕浦 幸治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10133852)
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Keywords | 地滑り津波 / 発生メカニズム / 砂移動 / 堆積物 |
Research Abstract |
本研究では、地滑り津波の発生機構の解明および解析手法の確立を目的とし、非地震性津波の発生する可能性のある地域を評価する手法を提案することを目指している。今年は、現地調査、水理実験、数値モデルの開発を行ったので、以下の実績を報告する。まず、現地調査の対象地域は地中海沿岸であり、ここでは非地震性津波の多くがエーゲ海を中心とし歴史的なイベントが多い。昨年の1999年トルコ・イズミットおよびマーマラ海での調査に引き続き、トルコ共和国エーゲ海沿岸での調査を実施した。ダラマンにおいては、津波の堆積物を発見し、3層構造、各層の中にも2から3の異なる構造を持つことが分かった。これは、地震による液状化、津波の数波の来襲を示唆している。その他の地域では、津波による堆積物を確認することは出来なかった。次に、地滑り津波発生モデルの基礎検討として、地滑りが流下し水表面に突入し、津波を発生する状況の水理実験も実施し既存のモデルとの比較を継続して実施した。斜面角度、底面粗度、乾湿状態などを変化させ、土石流の流下状況と津波の発生過程を観測し、モデル化を行った。実験で明らかになった点として、押し波に続く引き波の存在があり、これは土砂の先端波形勾配に最も関係していることがわかった。さらに、2層流のモデルの適用性を検討し、抵抗のモデル化(底面摩擦、拡散項、界面抵抗)をさらに改良した。最後に、移動床の水理実験も同時に実施しており、陸上部に堆積する土砂のトラップ条件と水理量との比較検討を行った。津波の遡上後、引き波で砂が戻る前に、トラップ装置を落下させ、砂の移動がないように工夫し、陸上部において、詳細に堆積量を測定することが出来た。流速の積分値と堆積量が最も関係あることが分かった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 今村文彦: "土砂突入による津波発生機構に関する基礎検討"海岸工学論文集. 48巻. 321-332 (2001)
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[Publications] 今村文彦: "沖縄県石垣島における1771年明和大津波と津波石移動の数値解析"海岸工学論文集. 48巻. 346-350 (2001)
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[Publications] Minoura: "Tsunami hazards associated with explosion-collapse processes of a dome complex on Minoan Thera"NATO Advanced Research Workshop. 211-215 (2001)
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[Publications] 高橋智幸: "津波遡上に伴う陸域での堆積物形成に関する水理実験"海岸工学論文集. 48巻. 311-315 (2001)
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[Publications] 高橋智幸: "津波堆積物に関する水理実験"津波工学研究報告. 第18号. 15-22 (2001)