2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12575007
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鈴木 英治 鹿児島大学, 理学部, 教授 (10128431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相場 慎一郎 鹿児島大学, 理学部, 助手 (60322319)
宮本 旬子 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (40244222)
宮内 信文 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70041621)
山田 俊弘 熊本県立大学, 環境共生学部, 講師 (50316189)
安田 雅俊 森林総合研究所, 森林生物部, 研究員
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Keywords | 熱帯多雨林 / フタバガキ科 / 生物多様性 / ブルネイ / 森林植生 / 動物種子散布 / 土壌 / 遺伝的多様性 |
Research Abstract |
今年度は、ボルネオ島北部のブルネイとサバ州で低地熱帯多雨林の植生の多様性を研究した。7月31日〜8月20日および9月10日〜10月8日に、同国のマリンブン自然遺産公園で調査を行った。湿地と乾いた尾根上で、比較的初期の遷移段階と後期の段階に、それぞれ1haずつ合計4haの植物生態調査区を設定した。土壌調査とあわせて、植生の構造と多様性が土壌条件と時間によってどのように変化するか調べた。尾根上では遷移が進んだ場所のほうが多様性が高かったが、湿地では遷移が進み泥炭が蓄積するにつれて特定の種が優占するので多様性は低下した。優占種については実生まで調査し、その構造を詳しく調べた。 ツル植物の多様性と森林構造の関連性を研究し、多い場所では0.25haに67種も分布し、ツルの多様性が樹木のそれに匹敵することがわかった。 1000点あまりの植物標本を採集したが、421種が存在し、既存の資料と合わせるマリンブンには維管束植物が656種以上分布していることがわかった。いくつかはブルネイで初めての分布記録であった。280点の標本を画像として取り込み、インターネット上で公開した。(http://suzumac.cla.kagoshima-u.ac.jp/private/suzuki/Brunei/Herbarium/indexHb.htm) ブルネイには裸子植物以上で3567種が分布するが、既存資料からそのデータベースを作った。植物の遺伝的な多様性を調べるために、DNAを抽出するための葉のサンプルを多数の種から採集した。 植物の種子散布への動物の影響を研究するために、今年度は動物相の基礎的調査を行い、同公園にはツパイなど46種の陸上哺乳類がいることがわかった。 サバ州では、キナバルの山地多雨林の植生を調べた。
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