2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12575007
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鈴木 英治 鹿児島大学, 理学部, 教授 (10128431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 俊弘 熊本県立大学, 環境共生学部, 講師 (50316189)
安田 雅俊 森林総合研究所, 森林生物部, 研究員
宮本 旬子 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (40244222)
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Keywords | 熱帯多雨林 / 東カリマンタン / ベラウ / ブルネイ / 生物多様性 / 動物種子散布 |
Research Abstract |
6月22日〜7月7日にブルネイのマリンブン自然遺産地域で現地調査を行った。主な内容は、森林動態を調べるために合計4つの1ha調査区で直径4.8cm以上の樹木の直径再測定、ヤシ科植物の多様性を調べるためにDNA分析用サンプルの採集、哺乳動物相の調査であった。若いステージにある調査区では現存量が増加し、老齢林分ではほとんど変化がなかった。湿地林では老齢になるほど多様性が減少する傾向が見られた。ウチワヤシ属Licualaの168個体について,RAPD法によるDNAレベルの遺伝的多様性を解析したところ,乾燥した丘陵地の林床型と,林外の湖岸や明るいギャップに生育する湿地型に2分されることが明らかになった。また,葉の形質から両タイプを形態的に区別できることが示唆された。哺乳類は22種発見されたが、カメラトラップが最も効果的であった。 7月21日〜9月19日にはインドネシアで調査を行った。東カリマンタン北部のベラウに行き、残存している天然林地域にある河畔林1haの継続調査区を2つ作った。その中の直径4.8cm以上の樹木の毎木調査を行った。アオギリ科、センダン科の一部の樹木とロタン類については個体群動態を調べるために実生まで含めた調査を行った。河畔林なので低地林としては比較的多様性が低く2調査区ともに1haに約150種の樹木しかなく、マメ科のEndertia spectabilisが優占していた。アオギリ科のPterospermumが2種分布するが、生活史とともに葉の大きさ樹形が変化し、その生態的意義を考察した。ロタンの研究はジャワ島のハリムン山と両方で行い、林床生から樹冠に伸びるものまで様々な生活史を持つように多様化していることがわかった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Aiba, S., Kitayama, K., Repin, R.: "Species composition and species-area relationships of trees in nine permanent plots in altitudinal sequences on different geological substrates of Mount Kinabalu"Sabah Parks Nature Journal. 5. 7-69 (2002)