2003 Fiscal Year Annual Research Report
エイズと住血吸虫感染の予防行動に対する健康教育の有効性に関する研究
Project/Area Number |
12576014
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
門司 和彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (80166321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 潔 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80295071)
片峰 茂 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40161062)
嶋田 雅曉 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70124831)
竹本 泰一郎 長崎国際大学, 健康管理学部, 教授 (60010005)
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Keywords | 健康教育 / エイズ / 住血吸虫症 / 学校保健 |
Research Abstract |
本年度は、2001年よりほぼ毎月実施している・沿岸州・クワレ郡・ムワチンガ村の調査地での学童のビルハルツ住血吸虫症感染に関連する検尿調査を継続(全体で21回実施)するとともに2004年1月に2年半ぶりの集団治療を実施した。集落全体の結果分析はまだであるが、小学校の3-5年生の男児62名についての分析では、感染率は87%に達していた。これは1998年から2001年までの値に比べれば若干低いものの、やはり再感染率が非常に高く、健康教育の効果が十分でなかったことを示している。さらに、これらの小学生をその後さらに3回尿検査をした結果では、8人の虫卵陰性のうち6名が次の日に陽性と判定された。4日間とも虫卵陰性であった学生は2名のみであり、くり返し検査した場合の虫卵陽性率は96.7%に達した。3日間の検尿を実施した場合の強度感染者の割合(虫卵が尿10ml中に50個以上、あるいは肉眼的血尿が観察されたもの)は79%に達した。 治療後の月別のデータが揃っている男児108名について年齢別に3群に分けて平均感染強度を見ると、15歳以上が最も低く、11歳以下が最も高いことが判明し、典型的な高度流行地のパターンを示し、ピークシフト(感染強度が下がることにより最高の感染強度を示す年齢層が高い年齢にシフトしていく現象)は見られなかった。 また、1998年から2000年にかけてジンバブエでのビルハルツ住血吸虫症対策(学校における尿検査、即日投薬、健康教育)の効果判定を本年実施したが、そこでもピークシフトは見られなかった。一方、エイズの流行はケニアの調査地でも顕在化しており、住血吸虫対策でよい関係を確立した看護師、保健所スタッフによる教育が効果的に実施された。
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