2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12576027
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
本多 義昭 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00093310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 文之 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60161402)
高石 喜久 徳島大学, 薬学部, 教授 (60035558)
武田 美雄 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70025716)
伊藤 美千穂 京都大学, 薬学研究科, 助手 (30283592)
飯田 彰 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40202816)
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Keywords | トルコ系民族 / フィールドワーク / 伝統薬物 / 中央アジア / 薬用植物 |
Research Abstract |
本年度は、前2回の現地調査で収集した、民間薬として用いられている植物の天然物化学的研究を中心に行った。 主にウズベキスタンで止血や外傷の治療に使われるPrangos pabulariaからは、フラノクマリン類を含む4種の新規化合物と26種の既知化合物を得、それらの抗菌活性とサイトカイン遊離抑制活性を測定した。その結果、ostholに中程度の抗菌活性がみられ、12種の化合物にサイトカイン遊離抑制活性があった。 ウズベキスタン、カザフスタンでさまざまな身体症状の薬として用いられるHypericum scabrumからは、9種の新規polyprenylated benzoylphloroglucinol類が得られた。これらのうち、3種類には中〜弱程度の抗菌活性があった。 中央アジアには多くのセリ科植物が自生しており、中でもFerula属はしばしば薬用に使われる。Ferula kuhistanicaも皮膚病や切り傷の薬とされるが、このものの果実部から、非常に珍しい構造の新規セスキテルペン化合物を得、kuhistaferoneと命名した。本化合物は、ヒト癌細胞HCT116株に対して中程度の細胞毒性を示した。「臭いフェルラ」という意味の学名をもつFerula foetidaからは、S(硫黄)を含む6種の新規化合物と6種の既知化合物が得られた。また、Ferula penninervisの地下部からは、セスキテルペン類の新規化合物17種(グアイアン型15種、オイデスマン型2種)、既知9種を単離、NMRやX線結晶解析、さらにモッシャー法を用いて構造を決定した。これらの化合物のうち、ferupennin Jには、中程度のサイトカイン遊離抑制活性があった。 また、ウズベキスタンの山岳地帯に自生するシソ科ムシャリンドウ属Dracocephalum komaroviからは、3種の新規ジテルペン化合物が得られたが、うち、icetexane型ジテルペンであるkomaroviquinoneには強い抗トリパノソーマ活性が見い出された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Uchiyama, F.Kiuchi, M.Ito, G.Honda, Y.Takeda et al.: "New icetexane and 20-norabietane diterpenes with trypanocidal activity from Dracocephalum komarovi"J. nat. Prod.. 66(1). 128-131 (2003)
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[Publications] Y.Shikishima, Y.Takaishi, G.Honda, M.Ito, Y.Takeda, M.Tori et al.: "Sesquiterpenes from Ferula penninervis"J. Nat. Prod.. 65(12). 1897-1903 (2002)
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[Publications] H.Duan, Y.Takaishi, M.Tori, S.Takaoka, G.Honda, M.Ito et al.: "Polysulfide derivatives from Ferula foetida"J. Nat. Prod.. 65(11). 1667-1669 (2002)
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[Publications] K.Tamemoto, Y.Takaishi, K.Kawazoe, G.Honda, M.Ito et al.: "An unusual sesquiterpene derivative from Ferula kuhistanica"J. Nat. Prod.. 65(9). 1323-1324 (2002)
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[Publications] Y.Takeda, N.Isai, T.Masuda, H.Otsuka, G.Honda, Y.Takaishi: "A new megastigmane glucoside from Phlomis spinidens"Natural Medicines. 56(5). 200-203 (2002)
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[Publications] M.Matsuhisa, Y.Shikishima, Y.Takaishi, G.Honda, M.Ito: "Benzoylphloroglucinol derivatives from Hypericum scabrum"J. Nat. Prod.. 65(2). 290-294 (2002)