2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610045
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
大野 出 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (60247418)
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Keywords | 老荘思想 / 老子 / 荘子 / 林希逸 / 老子〓斎口義 / 道教 / おみくじ / 霊籤 |
Research Abstract |
平成12年度より開始した研究(研究課題名「日本近世における老荘思想の解釈に関する研究」・課題番号12610045)においては、日本の主に近世期における老荘思想の受容と展開を明らかにすべく、主として日本において刊行された『老子』および『荘子』の版本について、その基礎研究として、これら版本の書誌学的調査を行い、これら版本の注解ならびに訓点に着目して、その思想史的研究を、『老子』『荘子』の解釈という視点から進めてきた。これらの研究によって得られた知見については、平成15年5月16日に開催される東方学会・第48回国際東方学者会議(JCES)のシンポジウム(於:日本教育会館)において発表をし、一定の総括をするとともに、あわせて書籍としての出版も予定している。 上記の「日本近世における老荘思想の解釈に関する研究」においては、研究の主眼を、日本における老荘思想の受容と展開にのみ置いていた。そうした視点からの研究としては一定の成果が得られたと考えているが、老荘思想とは密接不可分な関係にある道教の受容という問題の解明に関しては、未だ不十分な状態にあった。 日本における道教の受容に関しては、現在においても学界の研究の蓄積は他の分野に比して甚だ少ない。 ところが、日本において現在でも広く流布している所謂「おみぐじ」の源流をたどると、その原型が道教寺院・道廟で抽かれでいる霊籤にあったことが、「日本近世における老荘思想の解釈に関する研究」において行った書誌学的調査の過程で明らかになった。
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