2001 Fiscal Year Annual Research Report
ベラスクスとスペイン宮廷画家の総合的研究-画家像、制度と社会-
Project/Area Number |
12610064
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大高 保二郎 早稲田大学, 文学部, 教授 (70118503)
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Keywords | ベラスケス / モンタニェース / タッカ / パラゴーネ / 宮廷肖像 / ハプスブルク / 騎馬像 / ガリレオ |
Research Abstract |
初めに宮廷関係のベラスケス資料を読み進めるうち、1635年前後の活動において注目すべき問題が浮上してきた。ブエン・レティーロ離宮に設営するための、巨大なブロンズ製フェリペ4世騎馬像の制作をめぐって、である。画家ベラスケスと彫刻家モンタニェースが協力体制を組み、フィレンツェの彫刻家ピエトロ・タッカに依頼することになるが、このプロジェクトは天文・物理学者ガリレオ・ガリレイをも巻き込み、後脚のみで立つ困難なポーズのバロック的騎馬彫到(等身大を優に超える)を実現させたのである。 そこには騎馬像のポーズや鋳造技術をめぐって様々な議論が生まれ、結局は16世紀的パラゴーネ(西語ではパランゴン)を超えた新しい時代の登場を予感させる。 第二の問題は、スペイン・ハプスブルク家型宮廷肖像の成立と伝統、さらにベラスケスによるその革新をテーマとして調査、研究を続けた。その成果の前半は2002年3月から始まったプラド美術館展の図録に論文として寄稿した。その後半となる論文を現在、準備中である。 今後のテーマはトーレ・デ・ラ・パラーダの絵画装飾とその意図をめぐってであり、原資料を収集中の段階である。さらにベラスケスと二度のイタリア旅行、についても論文を準備中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大高保二郎: "ベラスケスと宮廷肖像-伝統と革新-"『プラド美術館展』図録. 31-36,50-67,146-155 (2002)
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[Publications] 大高保二郎: "ベラスケス作<<彫刻家モンタニェースの肖像>>をめぐる諸問題-パランゴンの超克へ-"早稲田大学大学院 文学研究科紀要. 48(3分冊). 105-133 (2002)