2000 Fiscal Year Annual Research Report
異なる感性表現に共通する基本感情の検証と異文化間比較
Project/Area Number |
12610081
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柴 眞理子 神戸大学, 発達科学部, 教授 (70144558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇津木 成介 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (70283851)
菊地 雅春 神戸大学, 発達科学部, 教授 (90283845)
魚住 和晃 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (30112072)
米谷 淳 神戸大学, 大学教育研究センター, 助教授 (70157121)
小高 直樹 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30204217)
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Keywords | 感性表現 / 基本感情 / 舞踊 / 音楽 / 書 |
Research Abstract |
3年計画の初年度にあたる平成12年度は、計4回にわたる研究打ち合わせで、作業の進め方や進捗状況を確認しつつ、舞踊、音楽、書の各作品における感情表現についての情報交換や討議を行い、研究者間の共通認識を深めながら、当初の研究計画に沿って下記の3つの作業を進めた。 1)各分野の基本感情に関する調査とパフォーマンスの記録 a.舞踊(モダンダンス)舞踊作品の批評文から第1次抽出群(N=502)を収集し、舞踊研究者2名、舞踊学専攻院生2名が個別に判定し、3名以上に選ばれたものを第2次抽出群とした。その結果、動きを表す33語、感情を表す97語、計130語が舞踊における感情語として選定された。 b.音楽(ピアノ)CD解説書や雑誌に掲載された批評文の中からピアノ曲の感じを表す語(N=1271)を収集・整理し、「美しい」(出現頻度 34)、「静かな」(19)、「新しい」(17)、「繊細な」(14)「叙情的な」(12)、「古典的な」(12)、「印象的な」(11)など626語の第1次抽出群を得た。音楽研究者1名がそこからピアノにおける感情語を選定する作業を進めた。 c.書「軽快な」、「明るい」、「楽しい」、「やわらかい」などの表現として代表的な作品(N=48)を選定し、大学生(N=60)に見せて、思いつく語を5語ずつ書き出させる評価実験を行った。 舞踊と音楽については、共通の感情語を刺激として、評価実験のための実験材料のサンプルを作成した。 2)基本感情データベースの構築 舞踊、音楽、書のそれぞれについて、基本感情に対応した作品を収集・整理・保存する作業を進めるとともに、書に関する大学生の評価語データベースを作成した。 3)舞踊における感情価理論の検証 松本の7motivesを表現した舞踊の映像を刺激とした評価実験のデータをもとに、実証的検討を行うとともに、心理学者と舞踊研究者の間で理論的問題について討議した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 柴眞理子: "顔の表情語に基づいた舞踊運動の表現特性"神戸大学発達科学部研究紀要. 8巻1号. 1-14 (2001)
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[Publications] 柴眞理子: "異なる感性メディアの相互関連性に関する基礎的研究"弟50回記念大会/秋季舞踊学会 研究発表. (2000)
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[Publications] 森下朝日: "日本人の表情に関する研究 -軽蔑、嫌悪、怒りの表情分析"電子情報通信学会技術研究報告. HCS2000-6. 1-6 (2000)
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[Publications] 三浦彩美: "日本人の表情に関する研究 -邦画を用いた表情分析"日本心理学会第64回大会発表論文集. 180-180 (2000)
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[Publications] 高橋直樹: "日本人の表情に関する研究 -幸福、苦笑い、興味の表情分析"電子情報通信学会技術研究報告. HCS2000-7. 7-12 (2000)
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[Publications] 魚住和晃: "現代筆跡学序論"文芸春秋. 220 (2001)
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[Publications] 柴眞理子: "岡田美智男、他編『身体性とコンピュータ』「舞踊はコミュニケーション」"共立出版. 12 (2000)