2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610141
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
佐々木 和義 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (70285352)
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Keywords | 半側空間無視 / 大脳劣位半球損傷 / 圧片マヒ / 評価 |
Research Abstract |
本年度の目標は、半側空間無視症状の判定の定量的測定方法を定めることにあった。 神奈川リハビリテーション病院心理科で用いている14課題からなる半側空間無視検出用の「ネグレクト検査」(「絵の模写」、「図・文字系列の模写」、「図形の末梢」、「文章の音読」、「数字の抹消」、「空間関係」、「点画の完成」、「逆転模写」、「塗り絵」、「筆算」、「線分の二等分」、「漢字の模写」、「立方体の模写」、「イメージ画」で構成)を、同病院同科で行った大脳劣位半球損傷者(左片マヒ者)に実施したデータを、年齢、発症後の経過月数、WAIS-Rの成績等とともに収集した。収集できたデータは48人分であった。 半側空間無視の重症度に関する客観的規準が存在しないため、以下の手順に沿って、各課題ごとに6段階で重症度を測定した。欠落の多かった「逆転模写」以外の13課題について、3名が独立で、48人の検査結果(たとえば、「絵の模写」)を重症度の高いと思われる順番に配列した。3人の配列を比較検討し、13課題ごとに重症度の高い順番を決定した。すなわち、同症状は注目した領域の左下方向に無視が生じるというものであるため、課題によっては画面全体の左下方向無視領域は小さくても、画面の中に無視領域が多く点在していたり、またその逆も存在しており、全体の無視面積と無視個数のどちらを優先するかを課題ごとに調整した。このようにして、順位の得られた検査結果を見て、各課題ごとに「0〜5」の6段階評定の規準を定めた。それにしたがって、評定を行った。
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