2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610178
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小谷 朋弘 広島大学, 法学部, 教授 (60106789)
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Keywords | 離婚紛争 / 民間女性シェルター / 家裁相談窓口 / 女性センター相談室 / 弁護士 / 法社会学 |
Research Abstract |
今年度は、新しく開設されたシェルターの補充調査と成果報告書作成のために必要な文献資料の収集を行うとともに、平成12、13年度に実施した、民間女性シェルター調査、家裁の相談窓口調査、女性センター相談室調査、そして弁護士調査等各種調査のデータ整理と取りまとめを実施。成果報告書(130ページ)を作成。 民間女性シェルターは今日、全国で36施設を数える。これまで、関東や北海道に偏在していたが、近年、北陸や中国地方にもシェルターが開設され、現在空白地域は四国地区だけとなった。全国のシェルターは一様に小規模であり、シェルターの認知度が広まる一方で、市民ニーズに応えられない状況にある。共通する課題としては、運営資金の問題、スタッフ確保の問題、シェルターの安全性の問題がある。 家裁相談窓口は、東京家裁を除けば相談室も2、3室と小規模である。現在時点では、それで十分という認識が関係者にはあるが、開設時間が昼間時間帯だけとかロケーションが不便だといった問題もあり、かならずしも市民ニーズが少ないというわけではない。家事相談の重要性に鑑みれば、夜間開設やサテライト化など、改革が必要である。 女性センターはいま、自治体の財源問題から、その存続や拡充に黄色信号が灯っている。しかし、女性のための女牲の手による相談事業の重要性からいえば、その拡充は避けられない課題となる。 弁護士の一般業務の中で、今日、離婚問題はかなりの比重を占めている。離婚訴訟のみならず離婚調停、離婚相談など幅広い業務として展開されており、離婚紛争処理における弁護士の役割はますます重要となる。とはいえ、費用の高額性や弁護士の絶対数の不足、さらには離婚調停の弁護士代理の妥当性など大きな課題が横たわる。
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Research Products
(2 results)