2001 Fiscal Year Annual Research Report
秩父・多摩地域の竹籠を中心とした在来技術文化の研究
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12610311
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
坪郷 英彦 山口大学, 人文学部, 教授 (70207439)
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Keywords | 竹籠 / 副業 / 養蚕 / 秩父・多摩 / 生産生業 / 製茶 / 丘陸地 / 台地 |
Research Abstract |
秩父地方及び多摩地方でみられる生産生業用の竹籠について前年度に引き続き現地調査を行った。両地域は地形的には山地、丘陵地、台地から構成される。この地域的特性を持つ地域をそれぞれ、山地:秩父市・小鹿野町、丘陵地:八王子市・入間市・越生町、台地:所沢市・調布市と設定し、調査を行った。13年度の具体的な調査地域は八王子市・入間市・所沢市・越生町であり、丘陵地、台地を対象としたものである。データ収集は地域の地理的特性・生業形態・仕事の中での竹籠の役割・竹籠の形態と用途・竹籠の生産技術・竹籠の供給形式を項目として設定し進めた。竹籠生産工程の映像記録は入間市在住の職人を対象に行った。 第2年度の成果として次のことが明らかとなった。 1、近世からの麦を中心とした畑作が基盤としてあり、第二次世界大戦までは副業としての養蚕が対象地域に共通した生業であった。戦後は農業の多角化、都市化によって各地域は多様な展開を示している。 2、所沢市は第二次世界大戦後、都市向けの野菜の出荷が増え、このための竹籠の生産が増加した。隣接する入間市は狭山茶の生産が戦前から盛んで、製茶用の竹籠が多く作られたことが博物館資料の分析、竹籠職人からの聞き取りで確認できた。 3、用途的には麦作、養蚕、製茶、野菜作りに関連した竹籠が作られ、技術的にはa,底網代編み・胴笊目編みのタイプ、b,底六つ目と網代編み・胴六つ目と笊目編みの二重の作りのタイプ、c,六つ目編みと六つ目編み目潰しのタイプが基本形である。 4、丘陵地、台地の竹籠は用途的には地域差があるが、技術的には差がない。山地の竹籠は丘陵、台地と比べて技術的に異なる。
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Research Products
(1 results)