2000 Fiscal Year Annual Research Report
朝鮮出兵期における諸大名の動向およびその領国に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12610336
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 等 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (10301350)
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Keywords | 豊臣政権 / 朝鮮出兵 / 毛利氏 |
Research Abstract |
平成12年度は当初の研究計画に従って、まづ刊行された基礎史料集の収集・分析を中心に実施した。具体的には島津家文書・毛利家文書・小早川家文書・吉川家文書などの『大日本古文書』や『鹿児島県史料・旧記雑録』および、『萩藩閥閲録』などである。また、研究書についても『文禄・慶長役における被虜人の研究』『朝鮮役水軍史』といった基本図書を充実させ、研究課題の具体化をすすめた。その一方で国立公文書館・東京大学史料編纂所・京都大学博物館などの史料保存利用機関に調査を展開し、全国的なレヴェルでの史料状況を確認した。 その結果、大陸侵攻・朝鮮出兵の主力であったにも関わらず、比較的研究史の薄い毛利氏を当面の研究課題に据えることとした。ちなみに、いま一つの研究課題たる出兵期の水運・水軍にも毛利氏は密接に関わっており、そうした意味でも格好の研究対象と位置づけることが出来る。これをうけて、毛利家関係史料を大量に持つ山口県文書館、および『広島県史』の編纂資料を引き継いだ広島県文書館などに出向き、双方の館蔵史料の様態、あるいは山口・広島両県における関係資料の情報収集などをすすめた。 国立公文書館・東京大学史料編纂所・山口県文書館などでは適宜、史料の採録を行ってきたが、もとより充分なものではない。平成13年度以降は、これらの諸機関に吉川氏の関係資料を有する岩国市の岩国徴古館などを調査対象地に加えつつ、さらに密度の高い調査をすすめ、研究課題の達成に努めたい。
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