2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610419
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
土生田 純之 専修大学, 文学部, 教授 (50228524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 清治 駒澤大学, 文学部, 助教授 (80296821)
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Keywords | 渡来人 / 竃 / 陶質土器 / 軟質土器 / 金銅製装身具 / 金属器 / 甲胄 / 横穴式石室 |
Research Abstract |
本年度は3カ年計画の第1年度であるため、先ず必要な資料の収集に全力を注いだ。 日本列島の渡来系文物の流入、言葉を換えれば列島への外部からの文化流入は旧石器時代以来今日まで続いているが、同時にいくつかの波や文物流入が集中する時期もよく知られている。古墳時代においては中国情勢の混乱のため、主として朝鮮半島が新来文物流入の窓口になっていたのであるが、4世紀末、5世紀後半、6世紀末等古墳文化の画期には渡来文物の集中とその影響による技術革新や社会組織の変革などが議論されている。 今回の研究ではこのうち従来やや等閑視されてきた東国への渡来系文化の流入とその定着過程をおうものである。特に陶質土器、軟質土器、金銅製装身具、金属器、甲冑を中心とする遺物と横穴式石室や竃を中心とする遺構の両面から渡来系文物そしてその背後にある人の流れを把握しようとするものである。冒頭に述べたように本年は第1年度であるため、先ず東国における上記した考古資料の収集につとめ、今後の研究の基礎とした。また近畿地方他に出向き、当時における列島の中心地等他地域での文化流入のあり方との相違や類似点を考究したが、この点はいまだ十分ではない。 一方、分析対象となる考古資料の種類が多岐に渡るため、何人かの研究協力者に依頼して上述の観点からの作業に従事していただいた。第2年度も引き続いて研究の協力を依頼する予定である。また研究分担者、協力者との意見交換のため、二度会合をもったが、これは毎回発表者を選定して質疑応答をも行っており、実質的には小研究会と呼んでもよい充実したものとなった。
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