2002 Fiscal Year Annual Research Report
18世紀ロシアの文化的コンテクストに見る小説学の成立と発展
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12610541
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金澤 美知子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60143343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 徹也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00109050)
米重 文樹 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20008915)
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Keywords | 18世紀 / ロシア文学 / カラムジン / バロック / 古典主義 / センチメンタリズム / フランス |
Research Abstract |
今年は平成12,13年度に整備した研究環境において、これまでの成果を踏まえて次のような作業を行った。 1.18世紀ロシア文学・文化に関して、既に収集した文献を補足する形で、図書を購入した。 2.18世紀ロシアの小説作品に関して、金沢が翻訳紹介し、またそれを踏まえてロシア・センチメンタリズムの特質を考察した。 3.18世紀ロシア文学・文化に関する研究の集成として、「ロシア18世紀論集」2号を発行した。この論集には翻訳、研究の他、日本のロシア18世紀研究についての概観や18世紀研究の意義についての論文も収録されており、ロシア18世紀研究に少なからず貢献することができたと考える。 4.18世紀ロシアに大きな影響を与えたフランス17・18世紀の思想と文学について塩川が研究し、論文に纏め、また著書として発表した。 5.引き続き東京大学大学院生と共同で定期的に研究会を開き、18世紀文化に対する理解を深めた。この研究会にはフランス文学の研究者、歴史分野の研究者、学外の研究者の参加もあった。 6.日本18世紀ロシア研究会設立のための準備作業を行った。本会は今年の夏に発足の予定である。 7.なお本研究の総括として、近日中に研究成果報告書を発行する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 金沢 美知子: "『貧しい人々』におけるロシア・センチメンタリズムとその展開"ドストエーフスキイ広場. 11号. 4-12 (2002)
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[Publications] 金沢 美知子: "Dream and Remembrance in Dostoevsky's White Nights-in Comparison with Karamzin's Poor Liza"XXXI век Достоевского: перспективы человечества. 348-353 (2002)
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[Publications] 金沢 美知子: "ロシア・センチメンタリズムに見る死への憧憬と離郷願望"ロシア18世紀論集. 2号. 52-64 (2002)
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[Publications] 金沢 美知子: "A.E.イズマイロフ『哀れなマーシャ』"ロシア18世紀論集. 2号. 137-145 (2002)
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[Publications] 塩川 徹也: "Les limites de l'apologetique pascalienne"Trends in Port-Royal Studies. Actes du 33e congres annuel de la North American Society for Seventeenth-Century French Literature. 149-156 (2002)
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[Publications] 塩川 徹也: "G.フェレロル「パスカルにおける人間学と政治学」"思想. No.947. 82-94 (2003)
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[Publications] 塩川 徹也: "パンセ考"岩波書店. xvi+357+15 (2003)