2001 Fiscal Year Annual Research Report
ナショナル・イノベーション・システムにおける国立研究機関の役割
Project/Area Number |
12630046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 晃 東京大学, 先端経済工学研究センター, 教授 (20054380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 隆二 文部科学省, 科学技術政策研究所, 総務研究官 (30313448)
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Keywords | イノベーション・システム / 国立研究機関 / 研究費 / 研究者 / 特許 / 産業界 / 技術移転 / 特許共有 |
Research Abstract |
1.本研究は我が国の公的研究機関のうち、特に国立の研究機関に焦点を絞り、そのイノベーション・システムにおける役割について、具体的な事例分析および論文、特許などの客観的なデータの計量的分析を通じ、実証的な分析を試みるものである。 2.13年度においては、(1)12年度の調査研究、すなわち;(1)国立試験研究機関(国研)の研究費、研究者数の推移、我が国の研究開発活動全般の中での位置付け、国研に関する各省庁の施策、関連の予算の推移を調査するための基礎資料の収集、(2)国研が保有する特許の現状、その実施許諾状況及び企業との共同保有の状況等の調査・分析、(3)工業技術院の筑波研究学園都市所在の研究所の研究活動等、特に産業界への技術の移転状況、産業界との交流、協力関係などの調査、(4)国研に関する行政部局や政府関係機関への国研と産業界との関係等についての訪問調査、を踏まえ、調査・収集した資料・データに基づき、国研の研究活動とその産業界との関係について調査分析を進めた。 (2)この結果;(1)国研の予算、人員等については、過去20年間に亘って比較的安定的に推移し大きな変化がみられないこと、(2)新しい状況への対応のため研究機関の名称変更、統廃合等が若干みられるものの、平成13年度の独立行政法人化まで、組織的には大きな変化には乏しかったこと、(3)基礎的な研究を行う大学、研究所を持つ大企業や先端技術開発を行うベンチャー企業等の民間との狭間で、これらとは異なる国研独自の役割が不明確となりつつあること、(4)国研保有特許のうちでは、国研と企業等とが共有している特許が実施に結びつき易い傾向がみられること、などが明らかになった。
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