2001 Fiscal Year Annual Research Report
アジア地域市場の形成と競争優位性の構築行動に関する研究
Project/Area Number |
12630134
|
Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
徳永 善昭 亜細亜大学, 経営学部, 教授 (50050232)
|
Keywords | アジア地域・国 / 地域市場 / 競争優位性 / アジア戦略 / リージョナル対応 |
Research Abstract |
平成13年4月よりこの1年間では、前年度の研究内容を更に発展させるため、計画どおり日本企業のアジア地域・国での事業状況,そして今後についてアンケート調査により把握しようと努めた。「アジア地域・国を中心とした企業活動調査」と題したもので,1000社以上の日本企業に平成13年10月に郵送した。現在集計中であるが有効回答が189社となっている。産業では、機械・精密機器製造,電気機器製造,輸送用機器製造,ソフト開発・情報サービスなどを中心に検討しているが、アジア地域・国を含めたグローバルな事業展開に影響している理論的なものがあることである。アジア地域・国に関しては、成長市場という特性と共に競争も厳しくなっていることが判った。また本研究では、グローバルな単一市場という見解ではなく,三極ないし四極構造として,地域的に競争優位性を構築する企業行動に焦点を寄せてきた。前年は、理論的にその方向性や議論の内容を見たが、今回の調査データから推察すると、実際的には、産業の性質があるものの,地域的に浸透する経済力があるとみられる。予想したよりも、アジア地域・国も含めたマルチ・リージョナルな対応が有力と考えている。地域統括会社の役割も以前と比較して、重要性を増してきていることはこのような背景があるからであろう。また1997年7月に勃発したアジア金融・経済危機の影響が、輸送用機器,機械・精密機械産業に強く表わされていることである。事業収益の不満足の原因の第1位となっており,他に製造の競争力が欠けていること、需要予測の失敗が挙げられてくる。アジア地域市場という概念を用いてきたが、アジア地域・国と日本企業との関わりは、アジアNIEsから中国に至るまで多様であり、アジア地域で生産の移転が起きていること、優位性のためには、低コスト以外に何を見い出し、創り出すかであろう。
|
Research Products
(1 results)