2000 Fiscal Year Annual Research Report
マネジメント・バイアウト(MBO)の財務行動基準に関する経営学的研究
Project/Area Number |
12630135
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
小椋 康宏 東洋大学, 経営学部, 教授 (40058144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿崎 洋一 東洋大学, 経営学部, 助教授 (40120331)
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Keywords | MBO(マネジメント・バイ・アウト) / 事業再構築 / 社内ベンチャー / ベンチャー・キャピタル / 株式公開 |
Research Abstract |
既存企業の子会社や事業部門を経営者が親会社やオーナーから買収して独立するというMBOは、企業買収の一形態であるが、その今日的な意義は事業構造の再構築という経営戦略的な性格を強めていることが本研究により確認された。 1.MBOの今日的な意義としては、既存の大企業が事業の絞込み(コア・コンピタンス)への取り組みを強める中で、単なる経営者によるベンチャー活動という枠を越えて、事業再編成手法として積極的に活用されるようになっている。 2.大企業におけるMBOでは、社内ベンチャーの発展的な形態として理解されるようになっている。この意味で、社内ベンチャーは、MBOの保育器(インキュベーター)的な役割を果たしていると考えられる。 3.ベンチャー・キャピタルは、独立型ベンチャーに比べて、事業基盤が評価しやすく、経営者能力の見極めが容易なMBOに関心を寄せるようになってきた。ただし、ベンチャー・キャピタルの投資額も大きく、対象も拡大しつつあるとされるが、親企業との関係がやはり障害になることがみられる。この点で、旧来の子会社への投資とMBOへの投資との間にあるスペクトルが問題となる。 4.今後の研究展開としては、MBOにおける株式公開問題を検討する必要がある。とくに、事業単位と企業という制度的な単位に配慮した経営体制の整備が課題となる。この意味では、MBOにおける経営行動と財務的な行動基準との関連性や精緻化が不可欠である。その際、独立型や社内ベンチャーと異なるMBOに固有の経営発展計画が明らかになると期待される。
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Research Products
(1 results)