2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12630136
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
平田 光弘 東洋大学, 経営学部, 教授 (40017489)
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Keywords | 企業統治 / 企業統治論の体系 / コーポレート・ガバナンス / 経営者論 / 企業論 / 企業統治のグローバル原則 / OECDのグローバル原則 / 企業統治のグローバル・スタンダード |
Research Abstract |
本年度の主な研究実績としては、以下の3つを挙げることができる。第1は、企業統治問題は、つまるところ、経営者問題にほかならないとの考えに立って、企業統治論の体系化に関する試論を展開したことである。私見によれば、企業統治論は、11の問題領域からなる。1)市場経済体制と企業統治、2)企業法制度と企業統治、3)企業形態と企業統治、4)企業支配と企業統治、5)企業倫理と企業統治、6)企業観・企業目的観と企業統治、7)経営者と企業統治、8)経営機構と企業統治、9)株式所有構造と企業統治、10)企業競争力と企業統治、11)企業統治制度の国際比較、がそれである。企業統治論は、経営者論・企業論の中核をなす実践的理論であり、筆者は、こうした企業統治論と経営者論・経営学等の関連諸学との関係を明示した。第2は、1990年以降の日本における企業統治の研究と実践とを点描し、21世紀初頭の企業統治研究の課題を明らかにしたことである。その課題としては、企業統治論の体系化のほか、企業統治の鍵概念の国際比較、企業統治制度の構築等がある。企業統治論は、後2者の課題の解明によって、いっそう充実した体系になり得る。第3は、企業統治のグローバル原則形成の動きに着目し、OECDのグローバル原則を詳細に検討したことである。OECDのグローバル原則は、7カ国首脳会議(G7)、ICGN、CalPERS、世界銀行等によっても支持され、いまや企業統治のデジューレ・スタンダードとして世界各国に根を下ろしつつある。それは、利害・実践・文化の相違を超えた企業統治の最低基準をなしている。
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Research Products
(2 results)