2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12630137
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松本 芳男 日本大学, 商学部, 教授 (80102458)
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Keywords | 組織デザイン戦略 / 現代日本企業 / 組織改革 / 組織再編成 / M&A / 戦略提携 / 分社化 / アウトソーシング |
Research Abstract |
新聞・雑誌・書籍・各種データベースの情報を基に、日本企業が展開している組織デザイン戦略の実態を把握・分析する作業を進めた。現在、日本企業が進めている組織デザイン戦略の動向を整理すると以下のようになる。 (1)M&A、合弁事業、戦略提携などを通じての事業統合・大規模化:鉄鋼・化学・セメントなどの素材産業、自動車、銀行・保険、情報・通信などの分野を中心に合併・経営統合が活発に行われている。 (2)会社分割・事業分割・アウトソーシング:異質的事業・成長性ある事業・間接部門などを分社化したり、外部企業を利用してアウトソーシングする傾向が顕著になっている。 (3)コーポレート・ガバナンス構造の改革:取締役会のスリム化、執行役員制の導入、外部取締役の拡充、経営諮問会議の設置など、コーポレート・ガバナンス構造の改革が進行している。 (4)組織構造のオープン化・フラット化・ネットワーク化:パートタイマーや派遣労働者などの活用により組織の境界はますます曖昧になり、組織階層の数は減少し、緩やかな連結を特徴とするネットワーク型組織が増加してきている。 (5)楽しさ・生きがい・自己実現の要素を加味した職務設計:仕事それ自体に楽しさや生きがいを感じられるような職務設計が求められている。 (6)能力主義・成果主義的人事管理:英語力・情報リテラシー・専門性などを備えたプロフェッショナル型人材が求められ、年俸制に代表される成果主義的報酬制度が急増している。 本年度の研究成果の一部は、2000年9月11日〜13日にかけて日本大学で開催された「第16回日中企業管理シンポジウム」(経営行動研究学会、中国企業連合会・中国企業家協会、日中人文社会科学交流協会主催)において、「21世紀の日本企業の組織改革」というテーマで報告した。
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