2000 Fiscal Year Annual Research Report
「ドイツ会計基準委員会」設置と商法会計規範システムの形成に関する研究
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12630149
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木下 勝一 新潟大学, 経済学部, 教授 (40018643)
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Keywords | ドイツ版FASB / ドイツ会計基準委員会 / IASC(国際会計基準委員会) / IAS / US-GAAP / IOSCO(證券取引監督者国際機構) / ドイツ商法第342条 / 連結決算実務の国際化 / 財務報告の透明性 |
Research Abstract |
本年度の研究は、第1に、ドイツ版FASB(米国財務会計基準審議会)と呼ばれる「ドイツ会計基準委員会(Deutsches Rechnungslegungs Standards Committee)」が1998年にドイツ商法第342条を根拠規程として設置されたことを主として取り上げ、そのことの会計の国際化のなかでの意義の究明に取り組むとともに、「ドイツ会計基準委員会」の組織の原理と構成内容について考究した。第2に、本年度の研究において、ヨーロッパ連合が独自の調和化の作業を放棄し、「IASC(国際会計基準委員会)の将来像」の提起に対応させるヨーロッパ委員会の新しい戦略的転換を図ったことを明らかにし、そのなかで、ドイツが戦略的対応の一環として「ドイツ会計基準委員会」を設置したことを解明した。すなわち、ヨーロッパの企業及びドイツの企業がグローバルな資本市場での資金調達へとシフトを強め始めたこと、そして、IOSCO(証券取引監督者国際機構)がIAS(国際会計基準)をコアスタンダードとして承認したことを背景に、ヨーロッパ委員会及び加盟各国がグローバルスタンダードであるIASの基準設定プロセスへの影響を強める覇権争いに転じ、ドイツの利害を国際的に主張する機関として「ドイツ会計基準委員会」が立ち上げられた。本研究では、ドイツの企業のIAS(国際会計基準)/US-GAAP(米国の一般に認められた会計原則)に準拠した会計行動を法的に支持する国内法の整備を行なうなかで、「ドイツ会計基準委員会」がドイツ版FASBの役割を与えられたことを仔細に考究した。
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Research Products
(1 results)