2001 Fiscal Year Annual Research Report
正標数の数論とその楕円曲線暗号への応用に関する研究
Project/Area Number |
12640009
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 孝和 埼玉大学, 理学部, 助教授 (70215797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権 寧魯 埼玉大学, 理学部, 助手 (30302508)
柳井 久江 埼玉大学, 理学部, 講師 (10008865)
竹内 喜佐雄 埼玉大学, 理学部, 教授 (00011560)
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Keywords | 楕円曲線 / 有限体 / フロベニウス写像 / 有理点 |
Research Abstract |
本年度は前年度の研究成果をふまえて、標数が小さい有限体上定義された楕円曲線の有理点の個数を求めるアルゴリズムをさらに高速化することができた。 前年度のアルゴリズムでは与えられた有限体上の楕円曲線の全ての共役の標準持ち上げを同時に求め、これから隣接する曲線間の同種写像の先頭の係数を全て求めそれらの積としてフロベニウス準同型写像の跡を求めていた。理論上はノルム計算を併用すれば標準持ち上げをただ二つ求めれば済むはずであるが従来のノルム計算法は標準持ち上げの構成に比べて遅くここでは使えない。 本年度の研究では、この部分を解析的な手法を導入することでノルムを跡に変換することにより大幅に高速化することに成功し、位数計算全体の計算量の効率化を達成した。実際にはこの変換のための計算が主要項であり、従来の方法は計算精度に比例して計算量が増大していたが、今年度の研究により、増大度を計算精度の平方根に比例するところまで減少することができた。また、応用上重要とされる標数が2の場合、対数関数の性質を利用してさらに概ね2倍の高速化を達成した。 この研究成果により、位数計算アルゴリズムは隣接する標準持ち上げを構成する部分の高速化が問題となる。たとえば、拡大次数のみに依存する事前計算を認めるなどの手法が適用すれば、フロベニウス逆置換が短時間で求められるので全体の計算時間の増大度が減少することが判明した。さらなる改良については来年度の研究課題としたい。
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