2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640036
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石井 伸郎 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (30079024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 芳彦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90028184)
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Keywords | モジュラー関数体 / 生成元 / 定義方程式 / 楕円曲線 / フロベニウス準同型 / トレース |
Research Abstract |
昨年度の研究に引き続き、有限体上の関数体の定義方程式の定義方程式の性質を調べ、この研究の応用として楕円暗号の構成を試みた。特に、有限体上の楕円曲線でその有理点群が大きな位数の巡回部分群をもつもの系列の例を与えることが目標である。虚数乗法をもつ楕円曲線に対しては、ordinary reductionをもつ素数に於いて、そのFrobenius endomorphismの虚2次体の整数環の底での表示を利用することにより、群構造が明らかになることを昨年度の研究で示していた。 本年は虚数乗法を持たない楕円曲線から大きな位数をもつ巡回部分群を系統的に構成する方法の研究を行い、極めて特殊ではあるが一つの例を構成できた。この例をより一般化をするための研究を引き続き行っている。また、楕円暗号分野の数学的研究の対象の中心の一つは有限体上の楕円曲線の有理点群の位数の計算法である。言い換えるとFrobenius endomorphismのトレースの計算を高速に行うアルゴリズムを求めることであり、SEA法、佐藤のp進法などが知られている。 虚数乗法を持つ楕円曲線の場合は、やはりそのFrobenius endomorphismの虚2次体の整数環の底での表示を利用することにより、トレースの値は、正負の符号を除き容易に判明する。正負の符号の決定が残る問題であるが、虚数乗法を与える虚2次体の類数が1の場合と判別式が-5の場合はすでに解決されている。本研究では、おおざっぱに言うと判別式が3,4,5の倍数である場合に符号を決定する方法を与え、さらに類数が2,3となる場合には具体的な決定条件を与えた。3,4の倍数の場合は、平方剰余記号で決まる簡明な条件である。この結果は大阪府立大学・総合科学部数理・情報科学科のプレプリント・シリーズDMIS Research Reportに2002年10月に発表すると共に海外学術雑誌に投稿している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nobuhiko Ishida, Noburo Ishii: "Generators and defining equation of the modular function field of the group Γ1(N)"Acta Arithmetica. 101.4. 303-320 (2002)
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[Publications] Noburo Ishii: "Trace of Frobenius endomorphism of the elliptic curve with complex multiplication"DMIS Research Report. 02-3. 1-18 (2002)