2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640046
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上野 喜三雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70160190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 延久 早稲田大学, 理工学部, 講師
米田 元 早稲田大学, 理工学部, 講師
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Keywords | q解析学 / 特殊関数 / 多重ゼータ値 / 多重高次対数関数 |
Research Abstract |
今年度は、これまでの『多重ゼータ値(MZV)』に関する研究をまとめる論文を執筆した:"Relations for Multiple Zeta Values and Mellin Transforms of Multiple Polylogarithms"(by Jun-ichi Okuda and Kimio Ueno, arXiv : math.NT/0301277)この論文ではMZVの間に成り立つ『大野関係式』に着目し、まず、この関係式の母関数を作り、これがみたす差分漸化式を証明した(ここまでは、昨年度発表した論文"New Approach to Ohno Relation MultipleZeta Values"(by Jun-ichi Okuda and Kimio Ueno, arXiv : math.NT/0106148)で扱っている)。さらに、この母関数の逆メリン変換像が多重高次対数関数(multiple polylogarithm、MPLと略す)のみたすLanden formulaと同等であることを示した。Landen formulaはMPL系の1と∞との間の接続公式と同等であり、結局、我々は大野関形式が、メリン変換-逆メリン変換を通じて、MPL系のモノドロミー問題として解釈できることを示すのに成功したのである。論文は平成15年の1月に上梓されたのち、ただちに、京都大学数理解析研究所紀要に投稿した。また、論文の続編を現在準備しているところである。 この論文の結果は、部分的にはこれまで日本数学会、数理解析研究所の研究会などにおいて発表をされてきたが、この平成15年3月3日から6日まで近畿大学で開催された国際会議"Zeta Functions, Topology and Quantum Physics"において共同研究者の奥田順一(早稲田大学大学院博士課程在学)が理論の全容を初めて発表し(3月4日、奥田順一"Multiple Zeta Values and Mellin Transforms Of Multiple Polylogarithms")、国内外の研究者の注目を集めた。 研究分担者の米田元は、昨年度に引き続き、重力場方程式の解析に取り組み、共同研究者の真貝寿明氏との共著論文を多数生産した。また、福島延久は、昨年に引き続き可積分な格子模型の研究に取り組んだ。
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Research Products
(1 results)