2000 Fiscal Year Annual Research Report
3次元球面内の平坦トーラスの幾何学とその高次元化に関する研究
Project/Area Number |
12640059
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
北川 義久 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (20144917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤平 秀行 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70114171)
木村 寛 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70017953)
落合 昭二 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (30031545)
相原 義弘 沼津工業高等専門学校, 教養科, 助教授 (60175718)
江森 英世 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (90267526)
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Keywords | 微分幾何学 / 部分多様体 / 平坦トーラス / 等長的変形 |
Research Abstract |
近年,3次元単位球面S^3の群構造を基にして,S^3内のすべての平坦トーラスを構成する方法が開発された.その後の研究により,この構成法を応用した成果が数多く得られ,S^3内の平坦トーラスの研究は著しく進展した.これらの研究をさらに発展させ,部分多様体論と他分野との新たな関連を発見することが本研究の主要な目的である.本年度は,S^3,内の平坦トーラスの全平均曲率に関する問題を中心に,定期的にセミナーを行い,分担者との共同研究を推進した.以下,得られた研究成果の概要を述べる. 北川義久は,S^3内の平坦トーラスの構成法を用いて,S^3内の平坦トーラスの等長的変形について研究した.その結果,S^3内の平坦トーラスの全平均曲率は,いかなる等長的変形によっても不変であることが明らかになりつつある. 相原義弘は,複素ユークリッド空間上の有限葉分岐被覆空間X上定義され非特異代数多様体Mに値を持つ有理型写像が代数的に従属するための様々な十分条件を求めた.さらに,この応用として種々の一意性定理を導いた.特に非特異楕円曲線への正則写像が自己準同型で写りあう条件を与えた. 落合昭二は,位相空間の概念を学生に理解させるための教育方法として,有限位相空間に関連したコンピュータのプログラムを作らせることが有効であることを示した. 江森英世は,Piagetの認知発達理論とSkempの共鳴モデル論を用いて,数学的コミュニケーション参画者の認知過程を「認識・同化・拡張・分化・再構成」という5つの相の認知変容として同定した.ここで「相」という言葉は,それぞれの過程が明確に分離されるものではなく,再帰的な過程でもあることを示している.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Kitagawa: "Isometric deformations of flat tori in the 3-sphere with nonconstant mean curvature"Tohoku Math.J.. 52. 283-298 (2000)
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[Publications] Y.Kitagawa: "Construction of flat tori in the unit 3-sphere and its applications"Josai Math.Mongraphs. 3. 3-9 (2001)
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[Publications] S.Ochiai: "On a computer program investigating the property of topological space on 3-sets"Math.Reports of Utsunomiya Univ.. 14. 1-15 (2001)
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[Publications] 江森英世: "数学的コミュニケーション参画者の認知過程"数学教育学論究. 73・74. 27-56 (2000)
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[Publications] Y.Aihara: "Unicity theorems for meromorphic mappings with deficiencies"Complex Variables. 42. 259-268 (2000)
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[Publications] Y.Aihara: "Algebraic dependence of meromorphic mappings with deficiencies into algebraic varieties"Proc.ISAAC'99 Fukuoka . (to appear).