2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640127
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩田 耕一郎 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20241292)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 雅好 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30179650)
植田 好道 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00314724)
久保 泉 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022621)
|
Keywords | 2次元拡散過程 / 再帰性と境界条件 / 複素構造の変形 |
Research Abstract |
一意化定理によるとコンパクトでない単連結曲面上の複素構造は、複素平面と同値か或いは複素平面内の単位円板と同値である。確率論的には、ブラウン運動を考えたとき、その領域で再帰的になるか非再帰的になるかに対応する。C上の非再帰的な複素構造についてはベルトラミ係数のsupノルムは必ず1になってしまう。しかしながらベルトラミ係数のsupノルムが1なら必ず非再帰的かというとそうではない。本研究ではそのような複素構造の族を研究対象としていた。注目すべきは、ある複素構造の1径数族については臨界点があり、そこで複素構造の再帰性・非再帰性が変化する。解析するモデルは、平面内の単位円板とその境界を動く複素変数をパラメータにもつ複素構造の族で、ちょうどパラメータの絶対値が対応するベルトラミ係数のsupノルムに一致している。パラメータが単位円板の内部にあるときは、複素構造は複素平面の自然な構造と同値である。パラメータが境界たる円周上にあるときは、ただ一点の例外を除いて、対応する複素構造は非再帰的、即ち単位円板の複素構造と同値である。この臨界点においては、複素構造は再帰的だが、それを保存するような変形の自由度はかなり低くなっていることが分かりつつある。今後はこのような1径数族の具体例できるだけ多く探し、更にそのような1径数族の特徴付けを明らかにすることが求められる。それを見通しよく整理するためには、モデュラー群の作用を解析することにより変形の自由度を規定するというのがひとつの方向である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] M.Takeda: "Exponential decay of liletimes and a theorem of Kac on total occupation times"Potential Anal.. 11. 235-247 (1999)
-
[Publications] M.Veda: "On the fixed-point algebra under a minimal free product-type action of the quantum group SU_7 (2)."Internat.Math.Res.Notices. 1. 35-56 (2000)