2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640130
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中木 達幸 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (50172284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 厚 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (60284155)
福本 康秀 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (30192727)
田端 正久 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30093272)
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Keywords | 渦糸問題 / ハミルトン系 / 周期運動 / 相対的定常解の安定性 / 区間演算 |
Research Abstract |
2次元Euler方程式に支配される流体に発生した渦糸群の挙動に関し、次の2点の研究を行った。 1.周期運動とその形状 5つの渦糸がある初期形状にある場合を考察する。初期形状と渦の強さの2つのパラメータを動かすとき、ある特定のパラメータの値に対して、渦糸群が周期運動をおこすことが数学的に証明されている。本研究では、他のパラメータの値に対しての周期運動の発生について検討した。その結果、数学的に周期解の族が存在することを示した。これらの族は、数値実験により、比較的簡単な形状の周期運動に対応するものだと思われる。さらなる数値実験において、複雑な形状をする周期運動と周期運動族の極限として特別な形の運動の存在が示唆される。その数学的な裏付け、および、周期運動の分類は今後の研究課題である。 2.相対的平衡状態の安定性 5つの渦糸が上で述べたものとは別の初期形状にあるとき、渦糸群が相対的平衡状態、すなわち、一定の角速度で回転する座標系において平衡状態になることが分かる。この問題には2つのパラメータがある。そのパラメータの値と相対的平衡状態の安定性について研究を行った。数値実験により、ある特定の狭いパラメータ領域Sでのみ、相対的平衡状態が安定であることが示唆される。この平衡状態が安定であることを数学的に示すため、コンピュータ上での区間演算を援用した証明を試みた。その結果、Sの一部では、ある条件を満足する摂動に対しては相対的平衡状態がリヤプノフの意味で安定であることが判明した。Sのそれ以外の領域では、我々が現在行った手法では証明できない。そこでの安定性の議論は、今後の研究課題である。なお、上で述べた摂動に対する条件とは、MeyerとSchmidt(1998)が別の問題に適用したものを用いた。
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Research Products
(1 results)