2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640147
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
林 実樹廣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40007828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長坂 行雄 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50001855)
中路 貴彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30002174)
井上 純治 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40000856)
神保 敏弥 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (80015560)
泉池 敬司 新潟大学, 理学部, 教授 (80120963)
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Keywords | 有界正則関数環 / リーマン面 / Hardy族 / Myrberg現象 / 一致の定理 / 2葉被覆面 |
Research Abstract |
複素平面上の単位開円板上に、原点に収束する等比点列を正の実軸上に考え、その点列を中心に互いに交わらない小閉円板と原点を単位開円板から取り除いてできる領域Dを考えると、小閉円板の半径がある程度速く零に収束すると、原点における高階微係数がすべて零となる領域D上の有界正則関数は定数に限る(一致の定理)。一方、単位開円板から原点を除いた領域上の2葉被覆リーマン面Rで、原点に収束する点列上に分岐点をもっていれば、R上の有界正則関数環は単位開円板上の有界正則関数環に同型となることをP.Myrbergが1950頃に示している。そこで、上記領域Dを2葉リーマン面Rに持ち上げた部分リーマン面Eについて考えると、上記と同様に、小閉円板の半径がある程度速く零に収束すると、D上の有界正則関数環とE上の有界正則関数環が同型になる(これを、Myrberg現象と名付けた)。ここで、一致の定理とMyrberg現象の間で、半径が零に収束する速さに違いがあるかどうかを研究した。研究代表者、中井三留、小林保幸の三者による共同研究で一致の定理が成り立てばMyrberg現象が起きるが、逆が成り立たないことを突き止めた。両者の違いがより具体的にどこにあるかは今後の研究課題である。 本研究は、研究分担者井上によるHardy族の極値問題の研究、中路によるn次元トーラス上のHardy族の不変部分空間の研究、泉池による単位開円板上の有界正則関数環の構造研究、神保による多変数解析関数環の研究、長坂によるリーマン面の研究と関連しており、情報交換をしながら進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Hayashi: "A uniquenss theorem and the Myrbery type phenomenon for a Zalcman domain"J.d'Analyse Math.. 82. 267-283 (2000)
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[Publications] J.Inoue: "On the zeros of an extremal problem in H^1"Complex Veriablex. 40. 173-188 (2000)
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[Publications] T.Nakazi: "On as invariant subspace whose common zero set is the zeros of some function"Nihonkai Math.J.. 11. 1-9 (2000)
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[Publications] T.Nakazi: "Norm inequalities for some singular integral operators"Math.Ineq.and Appl.. 3. 411-421 (2000)
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[Publications] P.Gorkin: "Higher order hulls in H^∞ II"J.Functional Anal.. 177. 107-129 (2000)
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[Publications] K.Izuchi: "Trivial points in the maximal ideal"Houston J.Math. (印刷中).