2000 Fiscal Year Annual Research Report
不動点定理を介した非線形関数解析及び凸解析問題の研究
Project/Area Number |
12640157
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 渉 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (40016142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 博文 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (00251611)
谷口 雅治 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 講師 (30260623)
小島 政和 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90092551)
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Keywords | 非線形関数解析学 / 非線形作用素 / 非線形エルゴード定理 / 非線形発展方程式 / 凸解析学 / 不動点理論 / min-max定理 / 非線形変分不等式 |
Research Abstract |
本研究は「不動点定理を介した非線形解析及び凸解析問題の研究」と題して、種々の不動点定理を介して、非線形及び凸解析問題の解の存在と、その近似に関する問題を明らかにすることを目的として研究がなされた。特にバナッハ空間における種々の非線形作用素の不動点の存在と、その近似に関する問題をバナッハ空間の幾何学的観点から解明するとともに、不動点の存在と近似法を通して、バナッハ空間の幾何学的性質の特徴づけを行うこと、さらには非線形関数解析学の基本定理を不動点定理の立場から見直し、それを使って非線形最適化問題や非線形微分方程式、経済均衡問題の解の存在やその近似法に応用してみるという点から研究が行われた。まず数学、オペレーションズ・リサーチ、経済学における非線形及び凸解析問題、特に非線形最適化問題、非線形微分方程式の問題、経済均衡問題、画像処理の問題を数学的に把握し、それらを数学的に再構成してみた。すると、従来の不動点定理や近似法を発展させるとともに、新たな手法を開発して組み合わせることが必要であることがわかった。具体的には、非拡大写像のコンパクトなしの不動点定理とその近似法、写像族の不動点定理とその近似法に基づく研究が大切であることがわかった。そこで、その研究を進め、いくつかの有用な結果を得た。また、それはこれまで内外で研究されていた数学的理論を介すると、非線形及び凸解析学などで重要である非線形最適化理論、非線形微分方程式論、経済均衡問題とも結び付けることができ、その方面でもかなりの成果を得た。これらの結果は内外の雑誌や単行本としてで公表され、非常に関心をもたれた。また最近諸外国で引用されはじめたことを報告しておきたい。これらの成果は本当に予想以上であった。これは夏休みを利用しての大量の文献収集やその整理、ならびにこの問題に興味を持っている他大学の研究者との数多くの研究打ち合わせや討論が、功を奏した結果であろう。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Wataru TAKAHASHI and Naoki SHIOJI: "Strong Convergence Theorems for Asymptotically Nonexpansive Semigroups in Banach Spaces"J.Nonlinear Convex Anal.. 1-1. 73-87 (2000)
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[Publications] Wataru TAKAHASHI and Masato AMEMIYA: "Generalization of Shadows and Fixed Point Theorems for Fuzzy Sets"Fuzzy Sets and Systems. 114-3. 469-476 (2000)
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[Publications] Wataru TAKAHASHI: "Iterative Mathods for Approximation of Fixed Points and their Applications"J.Operations Research Sci.Japan. 43-1. 87-108 (2000)
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[Publications] Wataru TAKAHASHI and Kazuya SHIMOJI: "Convergence Theorems for Nonexpansive Mappings and Feasibility Problems"Math.Computer Modelling. 32-11. 1463-1471 (2000)
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[Publications] Wataru TAKAHASHI and Sho ji KAMIMURA: "Approximating Solutions of Maximal Monotone Operators in Hilbert Spaces"J.Approximation Theory. 106-2. 226-240 (2000)
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[Publications] Wataru TAKAHASHI and Sachiko ATSUSHIBA: "A Nonlinear Strong Ergodic Theorem for Nonexpansive Mappings with Compact Domains"Math.Japonica. 32-2. 183-195 (2000)
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[Publications] 高橋渉: "凸解析と不動点近似"横浜図書. 278 (2000)
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[Publications] Wataru TAKAHASHI: "Nonlinear Functional Analysis"Yokohama Publishers. 276 (2000)