2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640173
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
会田 茂樹 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90222455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 敦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (00243189)
関根 順 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (50314399)
長井 英生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70110848)
桑江 一洋 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (80243814)
尾角 正人 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70221843)
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Keywords | 準古典的近似 / ラプラスの方法 / 対数ソボレフ不等式 |
Research Abstract |
今年度は主に無限次元空間上の準古典的問題について研究した。準古典的近似とは、プランク定数hが非常に小さいと見なせるとき、対応する古典力学で量子力学的な諸量を近似的に表現するということと言ってもよいであろう。有限系の物理系の量子化である量子力学においては、準古典的問題はよく研究されている。しかし、無限系、すなわち、場の量子論のときは量子論自身の難しさもあり、ほとんど厳密な数学的な取扱は無い。2001年度の成果のひとつは、Wiener空間上のシュレーディンガー作用素の最低固有値の準古典的振舞が有限次元のときと同様にとらえられることを示したことである。証明の鍵となるアイデアは、次の通り。 1.摂動を受けないOrnstein-Uhlenbeck作用素が対数ソボレフ不等式をみたすことから従う自然な(良く知られている)最低固有値の下からの評価がポテンシャル関数を指数の肩に載せて得られるラプラス型の積分で与えられること。 2.1を用いてその積分が準古典的極限をとっても有限な範囲に収まることをSchilderのラプラスの漸近公式を用いて示すこと。 このシュレーディンガー作用素は1粒子のハミルトニアンが恒等作用素であるような抽象ボゾンフォック空間上の作用素の摂動である。同様なアイデアを用いることにより、リーマン多様体上の(pinnedされない)道の空間上の作用素の最低固有値についても粗い下からの評価が成立することを示した。この際、重要なのはBen ArousによるLaplace型の積分の評価である。また、リー群上のpinnedされた道の空間上での準古典的極限を考えることにより、奇数次元の調和形式の消滅が示唆されることを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Aida, H.Kawahi: "Short time asymptotics of a certain infinite dimensional difference process"Stochastic analysis and related topics VII. 48. 77-124 (2001)
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[Publications] S.Aida: "An estimate of the gap of spectrum of Schrodinger operators which generate hyperhounded semi groups"Journal of Functional Analysis. 185. 474-526 (2001)
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[Publications] S.Aida, T-S.Zhorg: "On the small time asymptotics of diffusion processes on path groups"Potential Analysis. 16. 67-78 (2002)