2002 Fiscal Year Annual Research Report
可解リー群における誘導表現の構成と分解およびその応用
Project/Area Number |
12640178
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 順子 鳥取大学, 教育地域科学部, 助教授 (40243886)
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Keywords | 可解リー群 / 誘導表現 / polarization |
Research Abstract |
1.複素解析的誘導表現については、引き続き低次元の指数型リー群において、一般の複素部分リー環、即ち、その複素共役との和空間が部分リー環にならず、またweak polarizationより次元の低い部分リー環、からの誘導表現を調べた。幾つかの例で、実際に零でない表現が構成でき、その既約分解も求められた。しかし今回得られた記述方法も、個々のリー環に固有のものとなっており、複雑である。これから一般的な、見通しの良い記述方法を見つけることは今後の課題である。 2.指数型リー群Gの既約表現において、「良い」性質を持つ作用素を群上の非可換Fourier変換の像として特徴づける問題について、J.Ludwigにより定義された、ある種の急減少関数ES(G)のFourier変換の像として得られる作用素を調べた。既約表現を実polarizationからのMackey誘導により等質空間上のL^2関数の空間Hに実現する。そして、ES(G)のFourier変換の像として得られるランク有限の作用素の像に含まれるベクトルから成る、Hのある部分空間εHを考える。この空間EHの元は可微分ベクトルの特別なものであり、ある特別な急減少関数として表されるものであるが、さらに、EHと可微分ベクトルの空間との関係をもはっきりさせることを試みた。今回は、Metz大学(フランス)のJ.Ludwig氏との議論から得られたアイディアをもとに、新しい特徴づけが得られる見通しがたった。この結果、およびその応用については、更に議論、考察を重ねて論文にまとめる予定である。
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