2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640183
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
風間 英明 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10037252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古島 幹雄 熊本大学, 理学部, 教授 (00165482)
金子 譲一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (10194911)
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Keywords | 線形化可能性 / コホモロジーの非ハウスドルフ性 / 擬凸性 |
Research Abstract |
複素多様体の擬凸性とその上の正則関数の性質、d'問題、dd'問題を研究している。具体的な複素多様体の族でdd'問題を考えると、その可解性は、ある種の力学系によって決定されることを明かにした。また複素Lie群上に自然な多重劣調和関数が存在することを証明した。この結果より、任意の複素Lie群は完備Kaehler多様体になることを証明した。線形化可能性の問題と、コンパクトKaehler多様体上の直線束の全空間のコホモロジーの非ハウスドルフ性との関係を調べている。連分数を使った、有理数近似を用いて見ると、両者の関係が、非常に近いが、僅かな違いがあることも明らかになった。以前セールの同型により、形式的巾級数の存在を証明した方法では、代数的に形式的巾級数解が一意的に得られる事は解るものの係数の評価が全く得られず、線形化可能性問題との関係を明らかに出来なかった。今回、ローラン展開により、係数を具体的に求める方法を開発した。この方法によれば一意的に存在する係数が具体的に求められ、それによって評価が出来るところまで解決に近づいている。現在、その具体的な数式の評価を模索している。 ホップ曲面上でも、未解決ではあるが、直線束の全空間のコホモロジーの非ハウスドルフ性の問題が残されており、これについても実1次元トーラス上の力学系によって、決まると予想を立て、研究対象として取り上げるつもりである。 また、準備が十分とはいえないが、直線束の剛性と複素曲面上の楕円曲線の近傍問題についても、時間をさいて、研究の糸口を模索している。
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[Publications] Kazama,H.,Kim,D.K.and C.Y.Oh: "Some remarks on complex Lie groups"Nagoya Math.J.. 157. 47-57 (2000)
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[Publications] Kazama,H.and Takayama,S.: "On the dd'-equation over pseudoconvex Kaehler manifolds"Manuscripta Math., Springer Verlag. 102. 25-39 (2000)
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[Publications] Kaneko,J.: "On Forrester's generalization of Morris constant term identity"Contemporary Math., American Mathematical Society. 254. 271-282 (2000)