2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640184
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
太田 昇一 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (70107176)
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Keywords | 量子群 / q-調和振動子 / 非有界作用素 / q-変形正規作用素 / q-変形ハイポ正規作用素 / 対象作用素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、量子群およびそれに密接な関係のあるq-調和振動子に関連して、q-変形ハイポ正規作用素やq-変形正規作用素を系統的に解析することである。本年度は研究実施計画に基づき、ヒルベルト空間H上の任意の閉非有界作用素Tから誘導される2×2off-diagona1作用素行列を,Hの直積上に作ることにより得られる自己共役表現〓(T)について解析した。 この方法は,q-変形ハイポ正規作用素やq-変形正規作用素のようにスペクトル解析の出来ない作用素に対して,間接的にではあるが,その作用素固有の情報を特徴づける試みを可能にすると思われる.この新しいアプローチに関して以下の結果が得られた: 1.閉対称作用素に対して,空間を拡大する事を許すと必ず自己共役拡大を持つが,上記の自己共役表現はナイマルクの意味での第3種の拡大になる(ナイマルク自身の証明はやや複雑であるが,上記の構成は単純な存在の別証を与えている). 2.2つの自己共役作用素が強可換であることと,それらから誘導された自己共役表現が強可換であることは同値である. 3.閉対称作用素Tが同じ空間上に自己共役拡大Sを持つとき,それぞれの自己共役表現〓(T)と〓(S)が強可換ならば,T自身自己共役でSと一致している. 4.nを2以上の整数とし,TをH上の閉対称作用素で,その定義域が稠密とする.さらに,n次多項式p(z)が実係数をもつとする.このとき自己共役表現〓(T)と多項式作用素p(T)から誘導される自己共役表現が強可換ならば,Tは自己共役になる.
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Research Products
(1 results)