2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640201
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山上 滋 茨城大学, 理学部, 教授 (90175654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松久 富美子 茨城大学, 理学部, 助教授 (90194208)
藤原 高徳 茨城大学, 理学部, 助教授 (50183596)
日合 文雄 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30092571)
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Keywords | テンソル圏 / 五角形方程式 / 自由積 / スペクトル流 |
Research Abstract |
本研究課題では、テンソル圏の解析的な構造を様々な角度から研究することを目的としているが、テンソル圏の解析においては、その代数的組み合せ論的構造が果たす役割も看過できず、今年度においては、代数的および解析的な双方の局面から次のような研究を行った。 1 解析的に重要な正値をもつテンソル圏においては、その表現論的な構造は代数的にきわめてよい性質のもので、いわゆる半単純性を何らかの意味で備えている。この半単純性に着目すると、圏論特有の形式主義的な言葉によらない、方程式論的なテンソル圏の記述が可能になる。具体的には、ある種の有限次元ベクトル空間のテンソル和空間の間の線型作用素で、係数の2次式と3次式を等しいとおく方程式(いわゆる五角形方程式)を滿たすものが、半単純なテンソル圏を与えることと同値であり、この方程式論的な記述を利用することにより、テンソル圏の剛性ならびに正値性との関係の解明につとめた。その成果については、別紙論文リストの「半単純テンソル圏の多角形表示」としてまとめられた。 2 一方テンソル圏の代数的側面と解析的側面が交差する領域としてテンソル圏の自由積の研究があり、その組合せ構造を作用素環の表現として実現する際に必要となる作用素環の自由積について、その自然な自己同型から引き起こされる接合積と呼ばれる環の構造が研究分担者によって詳しく調べられた。 3 物理的な方面の研究としては、臨海現象における共形場理論との関連が重要であるが、今年度については、有限格子上のウィルソン・ディラック作用素のスペクトル流の数値解析を指数定理との関連で調べた。 4 作用素のスペクトル流は一報で、微分幾何学における測地線流とも指数理論を通じて密接に関連しており、分担者によりlength surfaceを対象とした研究が行われた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S. Yamagami: "Polygomal presentations of semisimple tenser categories"J. Math. Soc. Japan. 54. 61-88 (2002)
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[Publications] F. Hiai, Y. Ueda: "Automorphisms of free product-type and their crossed-products"J. Operator Theory. (in press).
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[Publications] T. Fujiwara: "Anumerical study of spectrol flous of the hermitian wilson-Dirac operator"Pnog. Theor. Phys.. 107. 163-175 (2002)
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[Publications] Y. Machigashima, F. Ohtsuka (Matsuhisa): "Total excess on length surfaces"Math. Ann.. 319. 675-706 (2001)