2000 Fiscal Year Annual Research Report
密度依存型の拡散項をもつ反応拡散方程式の解の大域的拳動の研究
Project/Area Number |
12640213
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
観音 幸雄 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (00177776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
方 青 愛媛大学, 理学部, 助手 (10243544)
北川 桂一郎 愛媛大学, 教育学部, 教授 (00025404)
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Keywords | 分岐理論 / 競争モデル / 比較定理 |
Research Abstract |
自然界に現れる現象を理解するために,それらの多くは反応拡散方程式によって記述され,その解の構造が調べられてきてる.記述された方程式が単独の場合には,比較定理やエネルギー関数を用いることにより,ある非線形性をもつ方程式に対しては,大域的アトラクタはすべての定常解の不安定多様体の和集合として表現できることがわかっている.これにより,方程式の解の精密な漸近挙動を理解するためには,定常解の分岐構造の解明が重要であることを示唆される.また,記述された方程式が連立の場合には,比較定理が成立することは期待できず,これが定常解の分岐構造の解析を複雑なものにする一つの要因となっている. 本研究では,競争関係にある2種の生物の個体群の動態を記述する密度に依存した拡散項をもつLotka-Volterra競争系に関して,解の漸近挙動を解明することを目標としている.今年度は本研究の初年度であり,最初の段階として,拡散項が線形の場合に,定常解の大域的分岐構造を調べることにした.その結果として,系がある非線形性をもつ場合には,Chafee-Infante(1974/75)によって示された単独の反応拡散方程式の定常解の分岐構造と類似した構造をもつことがわかった.また,非線形性の仮定を少し緩めた場合にも,もし分岐が起こったとしても,ある種の分岐しか起こらないことがわかってきている. 来年度以降の課題としては,解の漸近挙動の手がかりを得るために,さらに多くの数値実験などを行い,解がどのような挙動を示すのかを理解する必要がある.また,さらに一般的な非線形項をもつ反応拡散方程式の定常解の大域的分岐構造についても研究を継続して行く必要がある.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yukio Kan-on: "On the Structure of the Set of Stationary Solutions for a Lotka-Volterra Competition Model with Diffusion"Dynamics of Continuous, Discrete and Impulsive Systems. (掲載予定).
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[Publications] Qing Fang and Tetsuro Yamamoto: "Superconvergence of finite difference approximations for convection-diffusion problems"Numerical Linear Algebra with Applications. (掲載予定).