2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12640233
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 憲一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90110676)
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Keywords | ガンマ線バースト / 超新星 / 極超新星 / ハイパーノバ / ブラックホール / 星の進化 / 元素合成 / スペクトル |
Research Abstract |
ガンマ線バーストを引き起こした天体である極超新星SN1998bwの1)光学的性質、2)爆発機構とガンマ線発生機構、3)その起源を明らかにするために、本年度は以下のような計算を遂行し、新たな結果を得た。 1)まず極超新星1998bwのスペクトルのモデル計算を行ない、観測との比較から元素合成量、膨張速度、元素の混合の程度を求めた。それにより、この超新星の爆発エネルギーが普通の超新星の30倍もの大きさであること、爆発した星の質量が、主系列で太陽質量の40倍程度の巨大なものであること、鉄の生成量が、太陽質量の0.5倍程度という普通の超新星の7倍もの量であることを明らかにした。また、球対称爆発モデルでは説明できないスペクトルの特徴があることも示した。さらに、別の極超新星の候補とされるSN1997efのスペクトルと光度曲線も同様に解析し、1998bwよりはやや小規模ではあるものの、やはり極超新星であることを明らかにした。 2)爆発が球対称でない場合、ある特定の方向へエネルギーが集中してジェット状の爆発となるモデル計算を行なった。このような巨大なエネルギーの非対称な爆発の際の元素合成の結果得られた元素の分布が、SNl998bwのスペクトルの特徴をよく説明することを示した。また、非対称爆発による元素合成の結果、これまで説明のできなかった古い星のZnの生成量を説明できることを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mazzali,P.A. et al.: "A Spectroscopic Analysis of the Energetic Type Ic Hyperova SN 1997ef"The Astrophysical Journal. 545. 407-419 (2000)
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[Publications] Kobayashi,C. et al.: "The History of the Cosmic Supernova Rate Derived from the Evolution of the Host Galaxies"The Astrophysical Journal. 529. 26-38 (2000)
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[Publications] Nakasato,N. et al.: "Numerical Simulations of Globular Cluster Formation"The Astrophysical Journal. 535. 776-787 (2000)
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[Publications] Umeda,H. et al.: "Impacts of the Dtection of Cassiopeia A Point Source"The Astrophysical Journal Letters. 534. L193-L196 (2000)
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[Publications] Turatto,M. et al.: "The Properties of Supernova 1997cy Associated to GRB979514"The Astrophysical Journal Letters. 534. L57-L61 (2000)
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[Publications] Iwamoto,K. et al.: "The Peculiar Type Ic Supernova 1997ef : Another Hypernova"The Astrophysical Journal. 534. 660-669 (2000)